ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00260/20230706080000111007 //////////////////////////////////////////////////////////////// 田村秀男ウェブマガジン 経済がわかれば世界がわかる 2008年9月のリーマンショックを受けて輸出が打撃を受けると、当時の胡錦濤政権は翌年1月から、融資をそれまでの3倍に一挙に増やすよう国有商業銀行に指令した。こうして人民元が膨張し、不動産ブームの原動力になった。習近平政権になると不動産の過剰在庫が顕在化したが、右記の通り、金融を通じて不動産市場を押し上げている。 国有企業はこぞって不動産投資や開発に手を染め、銀行自身も不動産に投融資した。地方の党幹部は不動産開発の受け皿会社を相次いでつくり、農地を潰して高層ビル群を建設した。上海など大都市郊外はもちろん、住宅需要の少ない内陸部でも高層住宅建設ラッシュが起きた。それがいまはゴーストタウン(鬼城)化しているわけだが、貸し手の金融機関は不良債権として計上しない。可処分所得の半分近くを貯蓄に回している中間層以上の個人も、政府の不動産相場維持政策を見て、2件目、3件目のマンション購入に走るというありさまだ。 不動産市場の過熱時には、党幹部は一時期だけ不動産開発や不動産融資にブレーキをかける。頭金の比率を上げるなど、住宅ローンの条件を厳しくする。 その結果、不動産投資は抑制され、不動産販売も落ち込む。デベロッパーは「新築」を保つために工事を遅らせて完成時期をずらす。 投資家のほうはしかし、不動産の値上がりを信じるので、絶対に投げ売りをしない。上海在住の知人は、2015年当時、3件目の高級マンションに投資したが、借り手がおらず1年以上空室のまま放置しても平気だった。実際に、不動産相場は金融緩和によって回復する。中間層でも、親類縁者からカネを集めて頭金を確保し、ローンを借りる。そうした債務を抱えながら物件を遊ばせている。 こうして不動産が売れなくても、相場が下落しても、値崩れは避けられるというのが、上海などの不動産市場の特徴だ。 https://foimg.com/00260/lPD7MI… … …(記事全文2,914文字)
