… … …(記事全文9,949文字)「カルト」という言葉がある。辞書などで調べてみると、英語では「cult」と書き、語源は、ラテン語で「耕す」を意味する「colo」から派生した「cultus」であるという。
cultusは崇拝、礼拝などの意味がある。フランス語のculteは広い意味で宗教を指し、そこからカリスマ性を持つ宗教指導者を頂点とした、狂信的な信者の集団を指すようになった。現代ではカルト宗教やカルト集団と呼ばれるように、どちらかといえば特定の宗教団体を指し、反社会的な組織や団体のことを意味する。反社会的な組織で、かつ危険視される宗教団体に対して「カルト」が使われる場合が多い。
カルト宗教の特徴はいくつか挙げられるが、最大のものは教義の特異性だろう。キリスト教ならカトリックやプロテスタント、仏教なら念仏宗や真言宗、また日蓮宗といった宗派は伝統的な既成宗教である。一方、カルト宗教は既成宗教の教義体系から、かなり外れた独自の世界観と教義を持っている。この特異な教義によって社会問題を引き起こすことが多いようである。
「教祖」「グル」など呼ばれる宗教指導者の存在も見逃せない。指導者はカリスマ的であり、信者から熱烈に崇められている。また、指導者は信者に対して信仰の深化を求め、生活態度を厳しく制限する。ときに外部との接触を嫌い、指導者や教義への批判はもちろん、脱退も許さない。信者にすれば、いわゆるマインドコントロールされた状態にある。
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