… … …(記事全文8,387文字)3月4日付けの毎日新聞がオピニオン欄で興味深い記事を載せていた。タイトルは『これからの記者会見 多メディアのあり方は』というもので、昨今の記者会見のあり方を問う内容になっていた。
毎日新聞がこのような記事を載せたのは、元タレント・中居正広の性的スキャンダルをめぐって今年1月27日に開かれたフジテレビの記者会見が発端である。10時間半という超ロングランの会見となり、一部の記者が声を荒げて会見場が混沌としたことなどから、本来の記者会見とはどのようなものであり、何に注意すべきかを識者が答えるというスタイルになっていた。
同紙のオピニオン欄に登場した識者は2人。1人はジャーナリストの江川紹子、もう1人は早稲田大学の澤康臣教授で、両者は記者会見に対するそれぞれの考え方を述べた。
江川は冒頭、フジテレビの記者会見は「ショー」と化した特異な事例であり、他の記者会見とは同列に並べられないと指摘した。記者会見は本来、会見に応じる側にとっては国民に説明する機会であり、取材する側は事実関係や当事者の認識を問う場であるという、ごく基本的な認識を江川は示していた。その上で現在の記者会見では、とくに不祥事を起こした政治家や企業が会見を開かずに一方的なコメントで済ませることや、また東京都議選に出馬した石丸伸二がフリーの記者を排除して会見そのものを自己のコントロール下に置くことを危惧した。
と同時に、そのような事態に対して報道機関は排除された記者らと連携するどころか、むしろ拒絶する現状を憂いていた。ときには記者が真相解明のために連携することも必要ではないかと江川は結んでいる。
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