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吉富有治の魔境探訪 - 政治という摩訶不思議を大阪から眺める

吉富有治(ジャーナリスト)

吉富有治

百条委員会の「調査報告書」を読む 議会の意思に聞く耳を持たない斎藤知事に唖然

 「止まると死ぬのじゃー」はお笑い芸人の間寛平のギャグだ。一方、「謝ると死ぬのじゃー」と壮大なボケをかます県知事がいる。兵庫県の斎藤元彦知事である。いや、ボケならまだいいが、本人はいたって真面目なのだから始末に終えない。兵庫県民はとんでもない県知事を抱えたものである。


 兵庫県議会の百条委員会はこれまで、亡くなった元西播磨県民局長による告発文書に対して、その真実性の審議と、元県民局長への斎藤と県の対応が適切だったかを調査してきた。その集大成が5日に公表された「調査報告書」である。同報告書は、元県民局長の告発文書が提起した斎藤のパワハラ疑惑や企業へのおねだり疑惑といった全7項目を1つひとつ丁寧に分析している。


 全文38ページに及ぶ調査報告書は、昨年6月14日に百条委員会がスタートしてから延べ34人の証人から計約42時間にも及ぶヒアリングを行い、行政から提出のあった73件の資料などを精査した結果について詳細にまとめられている。またヒアリング以外でも全職員にアンケートを実施し、公益通報者保護法に詳しい大学教授や弁護士を参考人として招いている。最後に掲載されている「提出を求めた資料一覧」には、誰に・どのような資料を求めたかのリストが示されている。資料を求めた先は知事の斎藤が大半で、その他として元県民局長や服部洋平副知事らの名前が見られる。


 その中で、信ぴょう性や真実性、根拠が不明だったものは「確認ができなかった」と明記した。逆に、信じるに足りると判断されたものは、それを根拠に「そう見られても仕方がない」「不適切である」などと指摘した。また、信ぴょう性や真実性がある問題について同報告書は「提言」と題し、改めるべき点は改めてほしいと斎藤に求めている。その求め方も「知事の辞任を求める」といった高圧的、高飛車なものではなく、今後は誤解を招かないようなルール作りを求め、県民の信頼を得るように促したものになっている。

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