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やっぱり地理が好き ~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

宮路秀作(地理講師&コラムニスト)

宮路秀作

本日ハ晴天ナリ #043:アメリカ合衆国は先進国で唯一、今後も人口が増えると予測されていたはずだったけど……、貿易とブロックチェーン③(全4回)

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00223/2021123123000089252 //////////////////////////////////////////////////////////////// 宮路秀作の本日ハ晴天ナリ ~「今、世界では何が起きているのか!?」を理解するために必要な基礎知識を知る~ https://foomii.com/00223 //////////////////////////////////////////////////////////////// 第43号(2021年12月31日発行)、今回のラインアップです。 ①世界各国の地理情報  ~アメリカ合衆国は先進国で唯一、今後も人口が増えると予測されていたはずだったけど……~ ②ブロックチェーンは地理から学べ!  ~貿易とブロックチェーン③(全4回)~ //////////////////////////////////////////////////////////////// こんにちは。 地理講師&コラムニストの宮路秀作です。 日頃、周りの人たちからは「みやじまん」と呼ばれています。 今回で43回目のメルマガ配信となります。 今号にて、2021年最後の配信となります。 前号でもお話したように、アメリカ経済の強さは、国内での強烈な競争が背景にあるのだろうと思います。方や日本は、とりあえず「東京を目指す!」といったところから始まるため、東京に変わる大きな市場がどうしても形成されにくいことは否めません。 また、鉄道帽を見渡すと、どうしても東京を経由しないと国内移動ができないような状況となっていることもまた一つの要因と考えられます。かつて300近くの諸侯に分裂していたドイツが統一されたのは19世紀の終わり頃でした。ドイツは連邦制を敷いていて、地方分権が進んでいます。首都ベルリンを経由しなくとも、地方都市間を移動することができる鉄道網となっています。 近年のドイツは、かつての東西ドイツに関係なく、ほぼ満遍なく各州で人口が増加傾向にあります。サービス経済化の進展が大きな要因といえますが、やはり「お国柄」ともいえるでしょう。日本はコロナ禍でテレワークが推奨されているとはいえ、東京からの脱出は大きなうねりとはなっていません。むしろ、コロナ禍が落ち着いたことで電車に揺られて出社する体勢が戻りつつあります。 最近、社会の変革には「外の目」に晒すことが絶対的に必要であると、強く思います。というのも、江戸時代の社会を考えると分かりやすいと思います。江戸時代は、徳川家康が征夷大将軍に任命された1603年に始まり、元号が慶応から明治に改元された1868年までの235年間を指します。 江戸時代は、徳川将軍家の全国支配が確立し、それを維持するための一つの手段として鎖国が用いられました。これによって天下安寧の世の中を創り出したといえます。しかし、この間、日本の社会は何も変革がなかったと言っても過言ではないでしょう。 しかし、幕末が近づく頃には、開国を要求する外国勢力に翻弄されるようになりました。初めは「夷狄を打て!」とばかりに敵対視しましたが、薩摩国のように薩英戦争をきっかけに「イギリスに学んで、軍備を強くしよう!」とばかりに、イギリスとの講話交渉を通じて関係性を高めていきました。戦争自体は引き分けでしたが、外国との戦争の前に圧倒的な軍事力とヨーロッパ文明を目の当たりにしたことで、薩摩国は討幕運動へと藩論が変わっていきました。 開国したことで、日本はヨーロッパ文化に学び、そして日本版産業革命を達成すると、人口がどんどん増えてやがては第一次世界大戦に参戦して勝利するまでになっていきます。 今の日本は、少し勘違いした保守が蔓延しているように思います。保守というより、変化を嫌うといった方が正しいでしょう。変化を嫌う人は、単純に楽をしたいだけだったりするのですが、手にした既得権益を手放さないようにあれやこれやと策を弄します。どんな組織にも、そういうズルい人はいるもので、今の日本の政治からもそれが見てとれます。
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