… … …(記事全文3,535文字)(前回から続く)
●番組の内容
⇒非核化は「一括」か「暫定」か
礒﨑:安全保障上重要だ。しかし、日本は北朝鮮と同じ土俵には立てない。米に対して日本の利益をどう滑り込ませていくかが問題。究極の目標は変えないものの、トランプ大統領は3回の会談で非核化ができなかった。難しい問題でやりにくい相手であることは間違いない。ワシントンでは暫定的措置を見据えている。米朝首脳会談前後、ミサイルは飛ばなかったし、核実験もなかった。現状のように頻繁にミサイルが飛ぶよりましではないか、と。
櫻井:一括帰国から人道支援という方針で、核・ミサイルは言わないスタンスである。拉致問題解決の後、ICBM保有や日本がとっくに射程圏内に入っていることは国として許せないことであり、国土と国民を守るのが重要だ。北朝鮮はトランプを騙そうとした。しかし、北の言うことは信じられないと見破った。日本は、中国、ロシア、北朝鮮の核・ミサイルに囲まれている。米の戦力と比較して、どれだけ危険な中にいるのか国民は共有すべき。北は核・ミサイルを止めるわけがない。安全保障への理解と備える行動をとらなければならない。「力対力」のバランスの意味から、外交も大事だが「安保三文書」2%では足りない。国民的議論にして、予算増にすることが現実的だ。北に対して許されないことをきちんと示すことが国家として大事なこと。
蓮池:暫定措置は北朝鮮にとって願ったり叶ったり。そこで経済制裁をある程度骨抜きにすれば自分たちのやりたい放題にできる。1994年の枠組み合意も2005年の六者協議も暫定でやって失敗している。それを繰り返さないため、日米韓が意思疎通し方向性を決めることが重要だ。
櫻井:日本の力ではどうにもならない。米の民主党から始まった。オバマは拉致問題には冷たかった。核を持つということは、核の信奉者がやること。イランとの合意もスケジュールありきだった。米が全ての核保有国に対して睨みをきかせることができなくなった時代に私たちは生きており、そこでどうやって日本を守るかという発想が必要。韓国では米の核が必要であるとし、独自の核保有という世論がある。核の傘が「破れ傘」になっている。その中で岸田首相がグローバルパートナーシップを唱えたのは非常に良かった。
蓮池透の正論/曲論
蓮池透(元東京電力原子力エンジニア)