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2021/2/7号

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【チャートを見るときに注意すべき点】


目次

１．ボラティリティについて
２．ボリンジャーバンドについて
３．２５日、７５日移動平均線は調整の目途になる
４．２５日、７５日移動平均線を割った場合は買い場
５．今週の注目銘柄

以前より、チャートを見るときに注意すべき
点として、値動きのクセを見ましょう、と書
いてきました。

そこで、今回は、チャートを見る際に、知っ
ておきたい注意すべき点について書きたいと
思います。


１．ボラティリティについて

良く「ボラティリティが大きい」と言われる
ことがありますが、ボラティリティが大きい
ほど、値動きの上下が激しいことを指しま
す。

逆に「ボラティリティが小さい」場合は、値
動きの上下が緩やかであることを指します。

つまり、ボラティリティとは、株価の値動き
の振幅度合いを指す言葉です。


さて、2021/1/17号【下値サポートラインを
意識しましょう】で「ＶＩＸショック」につ
いて書きました。

ＶＩＸショックとは、２０１８年に起こった
ＶＩＸ指数の急上昇により暴落が起こった事
象のことですが、このＶＩＸ指数とは、ボラ
ティリティ・インデックス（Volatility
Index)のことを指します。

ＶＩＸ指数は、シカゴ・オプション取引所が
Ｓ＆Ｐ５００を対象とするオプション取引の
満期３０日の予想変動率（インプライド・ボ
ラティリティ）を元に算出し、１９９３年よ
り公表している指数です。

ＶＩＸ指数は、投資家が将来の変動をどのよ
うに想定しているかを表した指数で、ＶＩＸ
指数が大きくなるほど、投資家が将来の変動
幅が大きくなると予想をしていることを意味
し、将来に対する不安が高まっていることを
表します。


ところで、先ほども説明しましたが、株価の
値動きの振幅度合いが大きい場合、「ボラテ
ィリティが大きい」、小さい場合は、「ボラ
ティリティが小さい」と言います。

投資家には、様々な考え方を持った人がいま
すが、私のように「あまり値動きが大きい銘
柄は勘弁して欲しい」と思っている人もいれ
ば、「値動きが大きいほどいい」と思ってい
る人もいます。

この「ボラティリティが大きい」銘柄を好む
人は一般的には、値動きの上下の振幅を利用
して、頻繁にトレードする人が多いと思いま
す。

また、「ボラティリティが小さい」銘柄を好
む人は、のんびりとお茶でも飲みながら、株
式投資をする人が多いと思います


よって、株価の値動きの振幅度合いを示す
「ボラティリティ」は、その銘柄のリスク度
合いを表すことになります。

「ボラティリティが大きい」銘柄は、ハイリ
スク・ハイリターン、「ボラティリティが小
さい」銘柄は、ローリスク・ローリターンで
あると一般的に言われています。


２．ボリンジャーバンドについて

ボラティリティを特徴付けるものとして「ボ
リンジャーバンド」というものがあります。

ボリンジャーバンドと株価を比較すると、そ
の銘柄のボラティリティが確認できます。

ボリンジャーバンドは、移動平均線と、その
上下２本ずつの標準偏差からなる線の計５本
の線で表わされます。

基本的な考え方として、株価は移動平均線に
そって動き、移動平均線からの乖離は、正規
分布に従うとして、統計学上、±２σ（σは
標準偏差）の間で動くであろうというもので
す。

なお、±２σに収まる確率は９５．４５％で
す。


では、先ほどのボラティリティが大きい銘柄
の代表例を示したいと思います。

例えば、東証マザーズ上場のリファインバー
ス(6531)のチャートを見ると、一日だけでも
値幅が大きいことがわかると思います。


リファインバースのチャート



さらに、上値がボリンジャーバンドの＋２σ
を上回っている個所が３箇所あります。

１日の値幅も大きく、ボラティリティが大き
い銘柄であると言えると思います。

こういう銘柄は、デイトレードや、スイング
トレードで値幅を取りに行く人には向いてい
ると言えます。

しかし、その代わり、損するリスクが大きい
銘柄とも言えます。

また、このチャートから言えることは、リフ
ァインバースを取引する投資家の性質として
、上値追いをする投資家が多いことを示して
いると思います。

要するに、この銘柄を好む投資家は、リスク
を厭わないギャンブラーが多いということで
す。


逆に、ボラティリティが小さい銘柄の代表例
は、臨時増刊号【今日買った銘柄】 
10月5日 その２（修正版）で紹介したトーア
ミ(5973)です。


トーアミのチャート



この銘柄は、ボリンジャーバンド±２σの間
で動いていることから、のんびりとお茶でも
飲みながら、株式投資ができると思います。


つまり、ボリンジャーバンド±２σの間で値
動きをしているか否かを確認することにより
「その銘柄のボラティリティの大きさ＝リス
クの大きさ」が確認できます。

まず、銘柄毎に、値動きの度合いに違いがあ
ることを知ってください。

そして、ご自身が、取引しようとする銘柄の
リスクの大きさを、予め知った上で、リスク
を負ってでも取引するか、否か検討してくだ
さい。


３．２５日、７５日移動平均線は調整の目途になる

2021/1/17号【下値サポートラインを意識
しましょう】で「上昇トレンド中の２５日移
動平均線や７５日移動平均線は下値サポート
ラインになることが多い」と書きました。

つまり、株価が下がっても２５日移動平均線
、または７５日移動平均線で止まることが多
いということが言えると思います。

ブログでも書いたエムスリー(2413)ですが
1/29の大引け後に、好決算を発表したので
すが、1/29に大幅下落し、７５日移動平均
線で止まっていることが確認できます。

そして、好決算を好感して、2/1に大幅に上
昇しました。


エムスリーのチャート



このエムスリーに対して、同じく1/29に好
決算を発表した村田製作所(6981)ですが、
2/1に大幅に下落しました。

もう一つ、同じく1/29に好決算を発表した
ＴＤＫ(6762)も2/1に大幅に下落しました。

村田製作所のチャートを見ると、1/29に大
幅に下落しているのですが、２５日移動平均
線に達していないことが確認できると思いま
す。

同じく、ＴＤＫのチャートを見ると、1/29
に大幅に下落しているのですが、２５日移動
平均線に達していないことが確認できると思
います。

村田製作所のチャート



ＴＤＫのチャート



結局、以上から言えることは、エムスリーは
７５日移動平均線という下値目途まで、株価
が下落したことで株価の調整が完了したのに
対し、村田製作所とＴＤＫは、２５日移動平
均線という目途まで達していなかったので、
株価の調整が完了していなかったと言えると
思います。

これが、翌営業日の株価上昇と下落を分けた
と思います。

好決算が予想されている場合、決算跨ぎをす
る際に注意すべき点としては、以下の通りで
す。

注意すべき点
決算跨ぎをするなら、株価調整済みであるこ
とを確認する。

しかし、これは、決算前と決算後という短い
期間のトレードをする際に注意すべき点です
ので、良い決算が出た後は、株価が一旦、調
整し、次の材料待ちとなります。


ちなみに、エムスリーは７５日移動平均線を
大幅に下回っていることから、今が買い時だ
と思います。

また、村田製作所は9000円が下値目途だと
思います。買うなら9000円に近いところで
す。

さらに、ＴＤＫは、先週末の大幅上昇で２５
日移動平均線の回復目途が立ったと思いま
す。買うなら今だと思います。


４．２５日、７５日移動平均線を割った場合は買い場

実際には、銘柄の値動きによっては２５日、
７５日移動平均線から大幅に乖離してしまう
ことがあります。

しかし、業績が好調で、上昇トレンド中の銘
柄は、２５日、７５日移動平均線から大幅に
乖離した場合は、買い時になることが多いの
です。

先ほどのエムスリーは７５日移動平均線を大
幅に下回っていることから買い場だと言いま
したが、正に買い場だと思います。


また、2021/1/17号【下値サポートライン
を意識しましょう】で紹介したアイ・エス・
ビー(9702)についても２５日移動平均線、
７５日移動平均線を割ったので「買い場」と
思いナンピンを繰り返しました。


アイ・エス・ビーのチャートをもう一度見て
みたいと思います。

この銘柄を買う際に検討したチャートは以下
のものです。

検討したチャート


この時のチャートで検討した際、上昇トレン
ドを保っていたことを確認し、さらに２５日
移動平均線、７５日移動平均線が下値サポー
トラインとして機能していたことを確認しま
した。

確かに、２５日移動平均線、７５日移動平均
線が下値サポートラインとして機能している
のですが、１１月下旬に７５日移動平均線を
割っているのです。

つまり、アイ・エス・ビーは、２５日移動平
均線、７５日移動平均線を下値サポートライ
ンとして動いていたものの、７５日移動平均
線を割ることがある銘柄だ、という意識が必
要だということです。

そして、下げ過ぎだったのか直ぐに７５日移
動平均線、２５日移動平均線を上回りまし
た。


つまり、この銘柄を取引する投資家は、諦め
が早い投資家が多い、といえると思います。

要するに、アイ・エス・ビーのチャートから
は、心理的節目である２５日移動平均線、
７５日移動平均線を割ったら、速攻で売りに
走る戦略を持った、ビビリな性格の投資家が
多いことをが伺えるのです。

他の銘柄を確認してもらえばわかるのですが
「２５日移動平均線、７５日移動平均線は絶
対に割らせないぞ！」と強固な意志を感じる
銘柄もあります。

買い方が「２５日移動平均線、７５日移動平
均線付近は絶対買いだ！」という戦略を持
ち、売り方に対抗する強気の性格を持ってい
ると、こういう傾向が強いと思います。


このようにチャートには、銘柄毎に、取引す
る投資家の戦略や性格が表れるのです。

つまり、銘柄毎に、取引する投資家の戦略や
性格を知ったうえで、どのような戦略を取る
べきかを考えるべきです。


１月８日に４００株を１３９４円で買ったこ
とは、以前のメールマガジンで書いた通りで
すが、私は、アイ・エス・ビーのナンピンを
繰り返し、先週末(2/5)現在で、取得価格が
１３４１円、保有株数が８００株になってい
ます。

１月８日に４００株を１３９４円で買ったの
ですが、さらに、４００株追加でナンピンし
たのです。

チャートを見ていただくと分かると思います
が、１月８日以降に株価が、どんどん下がっ
ていってしまったのです。

2/5現在のアイ・エス・ビーのチャート



では、ナンピンを繰り返した時の戦略につい
て書きたいと思います。

まず、株価が下がっていったときに次の下値
目途を１３００円としました。

切りのいい数字は心理的節目になることが多
いのです。

そこで、１３００円に近づいた1/28に
１３０９円で１００株買いました。

しかし、1/29に、心理的節目と考えていた
１３００円を割ったので、「これ以上は、下
がりすぎだろう」と考えました。

そして、1/29に１２９７円で１００株を買
いましたが、その日のうちに、さらに下がっ
たので１２７０円で２００株買いました。

心理的節目の１３００円を割ったときは焦り
ましたが、結局は、下げ過ぎだったようで
す。つまり、買い場だった、ということで
す。

しかし、2/1の終値は上昇したのですが、
大底だったのですよね。さすがに、前日まで
に４００株追加で買っていたので、様子見を
決めました。

ここは、焦ってナンピンすると、スカピンに
なると思い冷静に考えようと思った次第で
す。

また、結果論ですが、「天井売れず 底買え
ず」と言いますので、買いとしては、ほぼ、
良いところで買えたと思います。

2/1以降は、心理的節目の１３００円以上の
株価が上昇していったので、もう、これ以上
は買う必要はないだろう、と買いはやめまし
た。

そして、やっと、先週末に株価が１３５５円
となり、買値の１３４１円を超えてきました。


無暗なナンピンはスカピンになることが多い
のですが、少なくとも、ナンピンが報われる
か否かは、銘柄毎に取引する投資家の戦略や
性格を知ったうえで、ナンピンすべきだと思
います。

先ほど書いたように、アイ・エス・ビーを
取引する投資家は、早めに見切りをつける戦
略のビビリがが多いので、２５日移動平均線
、７５日移動平均線を割ったら、速攻で売り
に走るということです。

そして、株価が上昇し始めると、買いに走り
、２５日移動平均線、７５日移動平均線を回
復するのも早い、ということです。


まず、チャートには、取引する投資家の戦略
や性格が表れますので、良くチャートを見て
、過去に２５日移動平均線、および７５日移
動平均線を大幅に下回っても、回復が早い銘
柄は、２５日移動平均線、および７５日移動
平均線を割った場合は、買い場として考えた
いと思います。

アイ・エス・ビーは、そのうち２５日移動平
均線、および７５日移動平均線を回復するの
は時間の問題だろうと思います。

今、１２７０円から１５５０円のボックス圏
で動いているように見えるので、目標は
１５００円です。


なお、上記の例は、業績が良い、上昇トレン
ド銘柄を対象にしています。

ダウントレンド銘柄を、逆張りで買う場合の
お勧めの買い方については、８月から１０月
に書いた定期配信のメールマガジンをお読み
ください。


５．今週の注目銘柄

ｓａｎｔｅｃ(6777)が、そろそろ買値目途に
近づいてきたので買いたいと狙っています。

ｓａｎｔｅｃは、光通信用部品、光測定器、
光画像センシングなどの光技術を応用した製
品を製造・販売している企業です。

２０２１年度３月期の上期は、製造現場向け
光学特性検査装置、及び眼科医療機器（光学
式眼内寸法測定装置）の販売が好調に推移し
たそうです。

また、液晶プロジェクタ、液晶ディスプレイ
用の液晶素子の開発製造を行っています。

さらに、ゲームコントローラ用の加速度セン
サー、携帯電話やＰＣ用の小型マイク、プレ
ゼンテーションで使用されるプロジェクタ用
の小型ミラーアレイに使われる微小電気機械
システムも製造しています。

注目すべき点としては、ｓａｎｔｅｃは５Ｇ
関連銘柄なのです。

基地局整備に絡み光モニターなどで高水準の
需要を取り込み、高収益が期待できると思い
ます。


2021/1/29に発表された２０２１年３月期
第３四半期決算は増収・増益でした。

売上高が５７億４９００万円（前年同期比
２０．０％増）、営業利益が１２億円（前年
同期比４２．５％増）、経常利益が１２億９
９００万円（前年同期比４２．１％増）、純
利益が９億１８００万円（前年同期比２６．
２％増）でした。

なお、同時に２０２１年３月期通期業績予想
を上方修正し、増収・増益を予想していま
す。

売上高が７４億５０００万円（前年比１６．
７％増）、営業利益１３億５０００万円（前
年比４４．２％増）、経常利益が１４億５０
００万円（前年比４１．７％増）、純利益が
１０億５０００万円（前年比２６．４％増）
となっています。


ｓａｎｔｅｃのチャート



チャートを見ると、下値目途は１８００円だ
と思います。

2/5の終値は２７円安の１８２１円でした。


直近の８月～９月、１１月中旬、１２月下旬
に下押ししていますが、１８００円で跳ね返
えされています。１８００円は岩盤だと思い
ます。

さらに、その根拠を裏付けるものとして、５
月下旬から６月下旬に上値抵抗ライン１８０
０～１８５０円で跳ね返されている点です。

５月下旬から６月下旬１８００円～１８５０
円が上値抵抗ラインと考えられることから、
「過去のの上値は、現在の下値」に当てはま
ると考えます。

よって、下値目途は１８００円です。

週明け2/8に、１８２０円台で買いたいと思
います。


著者　よっちゃん（個人投資家）

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