… … …(記事全文7,174文字)2026年8月31日発行(通算第894号)
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石井順也の世界情勢ブリーフィング
https://odyssey.co.jp/blog/jd/
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ネパールと中国・チベット自治区の国境地帯で大規模な洪水が発生し、甚大な被害が出ています。被災地のシガツェには、かつてチベットからネパールへ陸路で抜けた際に滞在したことがあります。画像を見ていると胸が痛みます。一刻も早い復旧・復興を願っています。
さて今週は、米国とカナダの貿易戦争を取り上げます。日本にとっても、北米に生産拠点を置く大手自動車メーカーなどのビジネスに影響する問題ですが、グローバルな経済統合のあり方を考える上でも、大きな示唆を含んでいます。米国のイラン制裁と米中関係も取り上げたかったのですが、こちらは次回以降に回します。
【目次】
1.先週の動き
● 米国とカナダの貿易戦争
2.今週の動き
3.今週の一冊
4.近況報告
5.あとがき
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先週の動き
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8/23(日)
・台湾の頼清徳総統が金門島を訪問
・カザフスタン議会選挙
8/24(月)
・トランプ大統領がカナダから輸入する自動車・部品に27年1月から50%の関税を課すと表明
・米国務省がシリアのテロ支援国家指定を解除
・ベッセント財務長官が新たなイラン制裁を発表
・イエメンのフーシ派がサウジのヤンブー沖の紅海でサウジのタンカーを弾道ミサイルで攻撃
・英国のバーナム首相がキーウを訪問
8/25(火)
・ラトクリフCIA長官がロシアを訪問
・カナダが米国の関税に対する報復措置を発表
・中国の王毅外相とインドのドバル国家安全保障補佐官が会談(北京)
・北朝鮮の先軍節
・イラン・オマーン外相会談(テヘラン)
8/26(水)
・パーデュー駐中国大使と中国の王毅外相が会談(北京)
・ネパールのラスワ郡で大規模な洪水
・ロシア・シリア首脳電話会談
8/27(木)
・トランプ大統領がオンタリオ湖の名称を「アメリカ湖」に変更する大統領令に署名
・米カンザスシティー連銀主催の国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」(ワイオミング州ジャクソンホール、~29日)
・イラン・カタール首脳会談(テヘラン)
・クウェートとパキスタンが軍事協力協定を締結
8/28(金)
・トランプ大統領がベネズエラと石油権益に関する協定を締結したと表明
・中国全人代常務委員会(中央軍事委員会の張又キョウ副主席と劉振立委員の解任、国防動員法の改正案を可決)(北京)
・ノルウェーでホーコン8世が国王に即位
8/29(土)
・アイスランドでEU加盟交渉再開の是非を問う国民投票
●米国とカナダの貿易戦争
米国とカナダの間で「貿易戦争」が勃発しました。歴史的関係の深い北米の2つの隣国が、かつてない対立の状況に陥っています。
トランプ大統領は先月、1930年関税法(スムート・ホーリー法)338条に基づき、一部のカナダ産品に50%の追加関税を課す措置を発表。これを受け、両国は関税の発動を回避するため交渉を続けていました。
しかし、交渉は8月21日に決裂。米国は翌22日、追加関税を発動しました。これに対し、カナダのカーニー首相も276億カナダドル相当の米国産品に15~50%の報復関税を課すとして、9月8日から発動すると表明しました。
するとトランプは、カナダから輸入する自動車・トラック・自動車部品に対する関税を2027年1月から50%に引き上げると表明。さらに、オンタリオ湖を「アメリカ湖」に改称する大統領令にも署名。両国の対立は貿易の枠を超える様相を呈しています。
世界でも最も緊密な同盟国・隣国だったはずの両国の関係はこれからどうなるのか。さらに日本や世界にどのような示唆を与えるのか。ポイントを解説します。
