… … …(記事全文11,473文字)2026年6月1日発行(通算第880号)
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石井順也の世界情勢ブリーフィング
https://odyssey.co.jp/blog/jd/
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6月になりました。早くも真夏日が続き、もう夏本番ではないかと思わせるような陽気ですね。近所の小学校では運動会が行われていましたが、暑さ対策の重要性をあらためて感じました。私自身、今年の夏はいくつか暑い地域を訪れる予定があるのですが、大好きな沖縄に行けるかどうかは微妙なところです。
さて、今週も主要テーマはイラン情勢ですが、今回は久しぶりに米国政治も取り上げます。「今週の一冊」と「近況報告」も濃い内容になったと思いますので、ぜひお楽しみください。
【目次】
1.先週の動き
(1)米・イランの停戦交渉
(2)中間選挙:共和党予備選
2.今週の動き
3.今週の一冊
4.近況報告
5.バックナンバー
6.あとがき
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先週の動き
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5/24(日)
・トランプ大統領がイランとの停戦交渉について米国の代表団に合意を急がないようにと伝えたと表明
・米印外相会談(デリー)
・中国が有人宇宙船「神舟23号」の打ち上げに成功
・ロシア国防省がウクライナを最新式中距離弾道ミサイル「オレシニク」で攻撃したと発表
5/25(月)
・米メモリアルデー(戦没者追悼の日)
・トランプ大統領がイランの高濃縮ウランは米国かイラン、または「その他の適切な場所」で廃棄されると主張
・米中央軍がイラン南部で「自衛のため」攻撃を実施したと発表
・イランのガリバフ国会議長とアラグチ外相がカタールのムハンマド首相と会談(ドーハ)
・中・パキスタン首脳会談(北京)
・ローマ教皇がAIの人間の尊厳に与える影響に関する教義文書を公表
5/26(火)
・日米豪印(クアッド)外相会合(デリー)
・テキサス州上院議員の共和党予備選の決選投票(パクストン州司法長官が勝利、現職のコーニンは敗北)
・サウスカロライナ州議会が連邦下院の選挙区割り案の採決を見送り
・アラバマ州連邦地裁が連邦下院の選挙区割り案の差止命令
・イランの革命防衛隊が米国のドローンMQ9リーパーを撃墜し、イラン領空に侵入したF35戦闘機と別のドローン1機も攻撃したと発表
・イランが国内でのインターネット接続の再開を発表
5/27(水)
・米中央軍がイランのドローン4機を撃墜し、バンダルアッバスの地上管制局を攻撃したと発表(イランの革命防衛隊は米空軍基地を攻撃したと発表)
・イラン国営放送(IRIB)が米国との戦闘終結に向けた覚書の草案を入手したと報道(米ホワイトハウスは否定)
・米・メキシコのUSMCA交渉(メキシコシティ、~29日)
5/28(木)
・米政府当局者が米国とイランは暫定合意に達し、トランプ大統領の承認を待っていると述べたとAxiosが報道
・トランプ政権がキューバへの軍事行動に備えるため「机上演習」を実施したとAxiosが報道
・イランの革命防衛隊が米空軍基地を攻撃したと発表(米中央軍はイランがクウェートに弾道ミサイルを発射したと発表)
・インドネシア・フランス首脳会談(パリ)
・ラトビアでクルベルグス首相率いる連立政権が発足
・日比首脳会談(東京)
5/29(金)
・トランプ大統領がイランとの戦争終結の合意の「最終決定」を下すためにホワイトハウスのシチュエーション・ルームで会議を開催(ワシントンDC)
・アジア安全保障会議(シャングリラ会合)(シンガポール、~5/31)
・ロシアのドローンがルーマニアのガラツィの集合住宅に墜落
●米・イランの停戦交渉
先週も米・イランの停戦交渉をめぐっては、米・イラン双方からさまざまなメッセージが発信されました。
イラン国営メディアは、米国との戦闘終結に向けた非公式な覚書(MOU)の草案を入手したと報道。イランはホルムズ海峡の航行を正常化させるが、イランとオマーンがホルムズ海峡を共同管理し、米国は周辺地域から軍を撤退させるとともに、海上封鎖を解除するとしています。しかし、ホワイトハウスはこれを「完全な捏造」として全面的に否定しました。
その翌日には、Axiosが、米国とイランが暫定合意に達し、現在はトランプ大統領の承認待ちであると報道しました。米国とイランは停戦を60日間延長し、ホルムズ海峡は通行料をとることなく開放され、イランは30日以内に機雷を除去し、米国はその対応に応じて海上封鎖の解除、制裁緩和、資産凍結解除を進める、イランは核兵器開発を追求しないことを約束し、高濃縮ウランの処分方法についても交渉するとしています。
トランプは、イランとの合意について「最終決定」を下すため、ホワイトハウスのシチュエーション・ルームで会議を開催しました。また、今後新たな発表があるまで金銭のやり取りは一切行わず、IAEAと連携した上で、米国がイランの濃縮ウランを掘り出して破壊するとSNSで述べました。しかし会議後に最終決定がされたとの発表はありませんでした。
一方、イラン国営メディアは、トランプの発言には「真実と虚偽が混在している」と批判。ロイターは、イラン高官は、イランと米国は政治的な合意には達しているものの、米国がイランの濃縮ウランを回収するという主張は事実ではなく、合意案には核関連の問題は一切含まれていないと述べたと報じました。
こうしたメッセージの応酬と並行して、米国とイランの間では小規模な交戦も発生しました。米軍は、イランが停戦合意に違反していると主張して攻撃を実施し、イラン側もこれに報復する形で応戦。こうした衝突が2度にわたって発生しています。
最新の情勢を踏まえ、今後の展望についてポイントを絞って解説します。
