… … …(記事全文2,763文字)今日は研究室でのゼミの日.
そろそろ卒論や修論のテーマのそれぞれを決めようということで,学生さん達とスタッフ(准教授&助教)の皆さんとゼミ.
学生さんとスタッフさんとでおおよそ希望をききつつテーマ案を考えてこられていたっていうことで,当方はそれを聞きながら,それぞれのテーマについてああだこうだ議論.
今年もあれこれ面白そうなテーマとなりそうです.
例えば,「MMTはなんで嫌われるのか?」っていうのが今年の卒論のテーマ候補の一つ.,
MMTを蛇蝎の如く嫌うアホは多いのですが,おおよそそういうアホは,MMT中身をしっかり調べて,その内容が論理的に実証的に間違えているから嫌いだ,というのではないだろう,そうじゃなくて,ただただ,「MMTを支持してるよ」っていうと,そいつが属している人間関係集団の中での「評判」が悪くなっちゃうんじゃないか,っていうのを気にしてる「だけ」ってのが,このテーマのポイント.
一応社会心理学理論では,「二重過程理論」なんていう理論があるんですが,その名前はおいといて,その要諦は要するに,人が物事の意見を形成する際,「ちゃんとした理屈で意見を形成する」っていうパターン(中心ルートといいます)と,「ちゃんとした理屈とは無関係な別の理由で意見を形成するっていうパターン(周辺ルートといいます)があるって言う話しなのですが,要するにMMT嫌いだっていってるアホは,後者の「周辺ルート」で意見形成してるだろう,っていうことを実証しようというのが,その研究テーマの狙い.
絶対そうなってるでしょうね.つまり,この研究はMMT嫌いはアホばっか,MMT論者はそれよりずっとちゃんと考えてる,ってことを社会心理学的に実証してみせよう,っていうのが,このテーマです.
別の研究では,…
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)