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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

『コロナって、インフルエンザとあんま変わんないんじゃね?』 ~データに基づいてSNSで皆と一緒にコロナ対策を考える~
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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

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私はもちろん、死ぬことに対する恐怖心があります。家族が死ぬことに対する恐怖心も、友人達が死ぬことに対する恐怖心があります。

だからもちろん、新型コロナウイルス(以下、コロナと略称します)が全然怖くないとは思っていません。

でも、コロナ以外にも、僕には怖いものがたくさんあります。交通事故で死ぬことも、癌になって死ぬことも、皆怖いと思います。とはいえ、僕は毎日毎日、交通事故で死ぬことを考えたり、癌で死ぬことを考えたりすることはありません。というか、実のところ、ほとんど考えてはいません。

でも、私達は今、毎日毎日、コロナのことばかり聞かされて、いつもその影に怯えて暮らしています。だから8割自粛せよと言われれば多くの人々がそれに従い、ステイホームを実践し続けています。つまり、コロナ以外の死亡リスクについてはほとんど考えないわけですが、コロナについてだけは毎日考えているのが、今日の私達の姿です。

・・・というわけですがここで、頭を真っ白にして、このグラフを見てみて下さい。
https://twitter.com/SF_SatoshiFujii/status/1258883421515866112

これは、これは東洋経済HP https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/に掲載されている、日本のこれまでの年代別の感染者数と死亡/重症/軽症の数のグラフです。

このグラフを提示しながら、ツイッター上で「あえて何の解説も加えませんが、いかがでしょうか?是非、頭を真っ白にしてよーく見て、率直にご意見下さい.」と呼びかけたところ、実にたくさんのご意見を頂きました。

そして、皆様方からのご意見の中には、これから日本政府のこれからのコロナ対策にとって極めて重要なものが実に多く散見されることに、筆者として驚くと共に、大変に有り難く感じた次第です。

ついては、皆様方のご意見を整理しつつ、一つ一つ、順をおってご紹介さし上げたいと思います。
(なお、本メルマガは基本的に有料会員限定の、ものですが、大変に重要な記事となりましたので、誠に恐れいりますが、今回の記事については、公開とさせていただきたいと思います。会員の皆様方におかれましては、ご理解願えますと大変有り難く存じます。)



【1:若者だけじゃなくて高齢者でも、重症・死亡って意外と少ないじゃね?】

まず、

『働く世代の感染者が多い。』
『20代は感染者が最多』

という、感染者数それ自身の傾向を指摘する方もおられましたが、やはりそういう意見よりも、「重症・死亡」の割合に着目したコメントが一番多くありました(以下、ツイート後8時間目の788コメントから抜粋)。

『いかに無症状で感染者が多いことか。』
『若い人ほとんど死んでなくて良かった』
『(分かったのは)お年寄りはかかったらほぼ死ぬみたいに思ってしまいがちですがお年寄りでさえ軽症の方がほとんどだってことです!』
『統計から感染者の殆どが軽症で済んでいることが分かりますね。』

つまり、コロナに罹れば重症化して死んでしまうかも・・・というイメージが強いが、死亡者、重症者も非常に少ない。若年者についてはほとんど重症化しないし、死亡しない(30代で、重症者、死亡者が数名いるが、それ以下だと今のところほとんど重症化してない)。高齢者にしても、重症化してない人が大半、という事実に思い至った方が多数おられたという次第。

だから、もっと素直に、

『なんや、全然大丈夫なんとちゃんうの??なんで大騒ぎしてんだ?』
『率直に発言・・・“死なないじゃん!”。今させられてることは何?』
『死に直結とか大袈裟やん・・・出回ってる言説が色々間違ってる事が判ります。』
『致死率の低いウイルスです。重症になりやすい特定の層を守れば良いだけです。多くの人には全く脅威ではない。そんなものの為に日本の皆の生活が圧迫されている。馬鹿馬鹿しい。』

とあきれ気味にコメントも頂いた方も多数おられました。

ちなみに、データの解釈について、

『「確認中」ってなんだ?』
『軽症・無症状・確認中をひとまとめにしてるけどそれでいいの?』

というツッコミを入れる方もおられましたが、「重症になった人、死亡した人」のシェアについての解釈だということでは、それを踏まえてもなお、「重症者、死亡者が少ない」という見解は間違っているとは言えないのではないかと思いました(もちろん、確認中の結果がどうなるかは今後明らかにしてもらいたいですね)。


【2:コロナって、インフルエンザとあんま変わんないんじゃね?】

そして、こうした「症状の軽さ」「深刻な状況になる方の少なさ」に思い至った方々から、次のようなコメントが多数ありました。

『普通の風邪との違いが分かりません』
『冷静に数字で見たら、大したものではない。風邪だな。』
『政府やマスコミが恐怖を煽りまくっている風邪だと思います。』
『国が全力で「風邪」をひいた人を調査したらこんなグラフになるんじゃないかと思います。』
『グラフだけ見ると、日本で蔓延している新型コロナは旧型コロナと同じくただの風邪ってやつですかね。80代は風邪ひいても危ないってことだ。』
『インフルエンザとか普通の風邪と変わらない気がする。』
『若者死んでない。これ他の病気でもこんな感じちゃうの』

つまり、「コロナって普通の風邪とかインフルエンザとあんまり変わんないんじゃ無い」という印象をもった方も多かったわけです。

ではここで実際に、「インフルエンザの死亡率」とコロナの死亡率を比べてみましょう。

まず、国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官安井良則氏の「2009年の新型インフルエンザ流行について」に掲載されている致死率の推計値を参照しましょう。
http://idsc.nih.go.jp/training/22kanri/22pdf/sep15_04.pdf

一方、コロナについては、厚生省が出している「PCR陽性者」と「死者数」のデータを用いましょう。
https://twitter.com/SF_SatoshiFujii/status/1254178810028675073/photo/1
ただし、実際には、西浦教授が指摘しているように「本当の感染者は、PCR陽性者は10倍以上いる」と考えられますから、
(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58509980V20C20A4EA2000/)
ここでは、実際の感染者は、実際のPCR陽性者の10倍いると考えた上で致死率を推定しましょう。
以上を踏まえると、インフルエンザ(2009年)とコロナによる致死率推計値は以下のようになります。

表 コロナとインフルエンザ(2009年)の推計致死率
――――――――――――――――――
        コロナ インフル
――――――――――――――――――
 30才未満   0.00% ≒ 0.00%
 30代     0.01% ≒ 0.01%
 40代     0.01% < 0.03%
 50代     0.04% < 0.07%
 60代     0.17% > 0.15%
 70代以上   0.82% > 0.30%
――――――――――――――――――
(補注:コロナとは無関係に死亡した方の中に感染者がいた可能性は否定できず、それを加味すると、コロナの致死率は「過小」だという可能性があります。しかし、西浦氏は実際の感染者はPCR陽性者の10倍「以上」いると言明しており、かつ、大阪市立大学の抗体検査では、PCR陽性患者の50~100倍の感染者がいた可能性も示されていますので、ここでの推計値は「極端に過大」である可能性も十分に考えられます https://www.facebook.com/Prof.Satoshi.FUJII/posts/2459457014155227。なお、インフルエンザの推計値は「推計受診患者」に対する致死率ですが、インフルエンザの受診傾向はコロナのそれよりも抜本的に多いという点も付言いたしておきます)


これを見ると、コロナとインフルエンザの間に、致死率について抜本的な格差があるとは思えないことが分かります。

高齢者において、コロナの方が致死率が幾分高い傾向がありますが、30代、40代ではむしろ、インフルエンザの方が致死率が高い、という推計になっているのです。

つまり、このツイッター上での「コロナは、インフルとたいして変わんないじゃないか?」というコメントは、データでも裏付けられているわけです。

以上はつまり、コロナは致死率も重症者率もさして高くなく、過去のインフルエンザレベルしかない、という疑義が極めて濃厚であることを意味しています。


【3:高齢者を保護しながら、経済も学校も再開したらいいんじゃね?】

・・・ということで、ここまで思考が及んだ方々からは、「対策」について次のようなご意見が寄せられました。

(1)全般的な方針について
『もう緊急事態解除の方向でいいんじゃないかと』
『わざわざ経済を止める必要なんて無い』
『この資料を見る限りでは、すでに段階的に、緊急事態宣言を解除し、経済を回していく施策をするべきだと思います。』
『普通のインフルと同じ感じなので、経済活動を再開すべきという事でしょうか。』

(2)学校について
『休校にする必要性が分かりませんねw』
『小中高校は再開』
『高校まで(恐らく大学も含む)の一斉休校の必要性がない。』
『学校は今すぐ再開すべきです。』
『特に学校は出来るだけ早く再開すべきです。』

(3)高齢者保護・若年層の活動再開について
『50代まで外出規制いらないですね。。。各自、気をつけながら、経済活動やれば良いのでは。』
『年代での自粛制限で、少なくても経済は動きますね。』
『高齢者と特定疾患者を重点的に対策を行い、若い世代の活動例えば学校は再開すべきですね。』
『高齢者のみ安全な所で感染を防げば、他の人々は活動出来ますね。』
『検査をしっかりやって感染者の隔離が徹底出来れば自粛の必要も無いのでは?特に高齢者を隔離するべき!』
『高齢者と同居していない世帯は自粛しなくて良いレベルじゃないかね。』
『死亡がほとんど高齢者なので、高齢者との接触機会を無くせば、若年層は経済活動の自粛をする必要はない。』
『高齢者の自粛で十分と思います。加えて若者と高齢者の接触回避』

つまり、高齢者は危ないが若者は基本大丈夫なのだから、高齢者を保護しつつ、若者は活動を再開する、という形で、学校・経済を動かしていけばいいのではないかというご意見が多数寄せられたわけです。


【4:・・・言いにくいけど、ひょっとするとこれって寿命・・・??】

さらには、次のような達観したようなコメントも散見されました。

『自然淘汰だと思います。冷たい言い方かもしれませんが、コロナ以外のウィルスに感染されていても亡くなられていたのではないかと思います。』
『死亡数は、寿命、に見えます。』
『寿命では?』
『ほとんどの人が、老衰で死んでいるんじゃないんでしょうか』


【5:おいTV、政府、知事、おめーら煽りすぎだろ(怒)(怒)!!】

いずれにせよ、データに基づくと、コロナって実は、それほど騒ぐ程のことでもないのではないか・・・という気分になる方も多数出てくることになるわけです。

となると、必然的に、

『高齢者の重症者が思ったほど多くないですね。報道が事態を煽ってる。』
『(テレビは)恐怖を煽っていると言われても仕方がないと思います。』

という形で、「メディアや政府・知事が煽っているだけだな」という風な解釈が成立することになってきます。

そうなれば必然的に人々の精神の内に「怒り」が生み出されることになります。

『率直に発言・・・「死なないじゃん!」。今させられてることは何?』
『(こうした客観的データを)見てるだけで、悔しいのと腹立つのでイラチになります』
『私の住んでいる群馬県は学校は休校にして、社会人は密の中を通勤しなければいけない意味がわかりません。知事をはじめ行政が無策のようにみえて怒りがこみ上げます。』
『きちんとした医療体制があれば、救える病気なのでは。余計に悔しく、腹立たしいです。』

そもそもコロナなんてさほどたいしたことの無いものなのに、メディアや政府に煽られて自粛させられ、所得も奪われ、挙げ句に仕事も奪われ・・・というコトになっているのですから、「腹立たしい」「怒りがこみ上げます」という反応は、しごく自然な反応と思われます。


以上が、筆者のツイッター上の呼びかけに対するコメントに占める、特に多かった部類のコメントです。改めて再掲すると、以下の5つが主要なコメントでした。

【1:若者だけじゃなくて高齢者でも、重症・死亡って意外と少ないじゃね?】
【2:コロナって、インフルエンザとあんま変わんないんじゃね?】
【3:高齢者を保護しながら、経済も学校も再開したらいいんじゃね?】
【4:・・・言いにくいけど、ひょっとするとこれって寿命・・・??】
【5:おいTV、政府、知事、おめーら煽りすぎだろ(怒)(怒)!!】

これ以外にも、重要なコメントとして、「変異する可能性がある」というものもありました。これも重要なご意見と思われましたが、少なくとも以上にご紹介した「意見」は、「現時点のウイルスについてのデータ」についてのものですから、以上の意見が全て無意味なものとなるということを意味するものではありません。ただし、変異するリスクについては警戒心を常に持ち続けておく必要がありますね(が、そういう警戒は、また別のウイルスのパンデミックに対して警戒し続けておかねばならない、という話を本質的に変わりありませんね)。

いずれにしても、以上のコメントの多くは(特に1.2.3の三つについては)、実は、当方がユニット長を務める京都大学レジリエンス実践ユニット長としてとりまとめた、『リスク・マネジメントに基づく「新型コロナウイルス対策」の提案 』の基本的な着想の重要な要素となっているのです。
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/resilience/documents/corona_riskmanagement.pdf

我々に限らず、それぞれの研究グループが提案するものは、こうして「事実」に基づいて、それを様々に解釈しながら形成されていくものなのです。

当方にしてみれば、ツイッターという新しい場を使った新しい試みでしたが、今回は、データ一枚について多様なご意見を頂きつつ、考察を深められたのは、大変に異議ある試みになったものと思います。

ご協力いただいた皆様方には心より感謝申し上げたいと思います。
また、ご紹介しきれなかったコメントについても、しっかりと一つずつ拝読し、今後の検討に活かして参りたいと思います。

今後とも引き続き、よろしくお願い申し上げます。

追申:
本メルマガでは、最近ずっと、コロナ問題について論じて参っております。
「北大西浦教授の「8割おじさん戦略」は、批判的に徹底検証されねばならない。」
https://foomii.com/00178/2020050112532166031

「TV漬けの国民は今「頑張ってコロナを駆逐すべし!」という無理難題を信じ込み、感染者を迫害する暴挙に及んでいます。」
https://foomii.com/00178/2020042416314365821

ご関心の方は是非、こちらの記事もご一読ください!

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