『ウクライナ・オン・ファイヤー』では、カラー革命についての真実が語られている。カラー革命。現在、日本は事実上戦時体制下に入っていて、NATO陣営に属して後方から参戦支援する一国である。したがって、この言葉は政治的に禁止語となる。カラー革命の語には問答無用で親ロシア・陰謀論のレッテルが貼られ、無前提に否定され排斥されるのであり、当局は、市民がこの言葉に関心を持ったり、興味を感じて接近しないように封殺する。西側の「情報戦」において、カラー革命の語の禁忌化と無意味化は必須のマターだ。 なぜなら、カラー革命の認識や理解が一般に広まると、アメリカはこの戦争での立場を正当化できなくなるからである。『ウクライナ・オン・ファイヤー』の動画を、当局が削除のモグラ叩きに血道を上げるように、西側当局は、御用論者にカラー革命を誹謗し嘲笑するミッションを指示するだろう。サンデーモーニングに出演するような、親米左翼系の商売論者を動員して、カラー革命など都市伝説だ、陰謀論者の戯言だと叩く思想工作を差配するはずだ。 オリバー・ストーンの作品では、ロバート・パリーが登場してカラー革命を前史から簡潔に説明している。80年代にイラン・コントラ事件の疑惑を暴露したジャーナリストで、この作品に出演した後、2018年、68歳の若さで脳卒中で死去していた。咄嗟に、暗殺ではないのかという疑念が浮かぶ。無論、証拠はない。だが、証拠を残さず暗殺できるのが現代の全能の神(CIA)だ。私は、エドワード・サイードの死も暗殺だったと確信している。陰謀論者の誹りと中傷は慣れているので、どうぞ好きにやってくれていい。 CIAの戦略と性格は1980年代から大きく変わった。それ以前の冷戦期の、古典的な謀略と諜報を遂行する軍事機関から進化し、もっと幅広いシビリアンの方面に作戦領域を拡大し、資源を展開し、すなわちソフトパワーでの調略を重視する方向性を強化した。具体的には、NGOに資金を出し、表向きは正当で平和的な目的の活動を装わせ、実際には敵として狙いを定めた国を失墜させ、政権と体制を転覆に追い込むメディア工作を遂行するのである。1983年に設立されたNED(全米民主主義基金)が、その任務の組織主体となった。… … …(記事全文3,435文字)