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板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~

板垣英憲(政治評論家)

板垣英憲

◆『小沢一郎総理大臣待望論』(1994年11月1日刊) 第5章 小沢一郎の敵と味方  田中・三木・中曽恨元首相たちのマスコミ操縦法

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~   2023年7月30日 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。                          政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆『小沢一郎総理大臣待望論』(1994年11月1日刊) 第5章 小沢一郎の敵と味方  田中・三木・中曽恨元首相たちのマスコミ操縦法 ───────────────────────────────────  なかでも田中元首相は、「カネで買収型」だったという。田中番記者に盆暮れのつけ届けをするのは習慣で、それ以外に、札束を握らせるのである。  配下の政治家が選挙区に帰ったり、地方を遊説して回ったりするとき、新聞、通信各社の田中番記者がつく。それらの記者たちの何人かを「スパイ」にする。配下の政治家であっても、腹の底で何を考えているかわからない。いつ寝首を掻かれるか、油断もスキもないのが政界だからだ。そこで、選挙区や遊説先から、スパイ記者に動静や発言内容などを逐一報告させていたというのである。前述の通信社政治部次長らもそんな辛い目にあっていたという話を、私は毎日新聞記者時代に、田中派担当の同僚記者から聞かされたことがある。  田中元首相の情報収集の方法は、これだけではなかった。配下の国会議員にも、毎日のようにレポート形式の報告書を持って来させた。だれと会い、どんな話をしたかまで報告させたのだ。何人もの国会議員から上がってきた報告書を熟読しながら、相互に付き合わせてみる。食い違いがあれば、直接、問い質す。だから、国会議員たちは、ウソの報告をするわけにはいかないから、心理的には怖い。  田中元首相は、情報を自分の手元に集中させることによって、配下の国会議員を心理的に掌握していた。この手法は、首相になり金権問題で失脚して、自民党を離れ、院政を敷いてからもずっと続けられていた。  だが、それでも、昭和60年2月の竹下・金丸一派のクーデターを察知できなかった。その頃はすでにロッキード疑獄事件で有罪判決を受けた田中元首相から田中派の国会議員たちの心が離れてしまっていたと見てよい。また「政治倫理の確立」と「清潔な政治」を終始提唱し続けてきた三木武夫元首相の下には、数多くの新聞記者や放送記者たちが集まった。私邸ではよく懇談が行われた。弱小派閥の領袖だった三木武夫元首相が頼りにしたのは、世論であり、それを形成することのできるマスコミだった。「政治倫理の確立」と「清潔な政治」は、もっともマスコミ受けした。  しかも読売新聞やサンケイ新聞の現職の政治部記者を引き抜いて秘書に据え、マスコミ対策に当たらせたのである。この三木武夫元首相は、自分の意向を相手に伝えるのに新聞記者を使うことがよくあった。生涯の政敵となった田中角栄元首相に対する発言で、誤解を受けそうだと判断したような場合、新聞記者をお使いに出し、
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