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板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~

板垣英憲(政治評論家)

板垣英憲

巨大な財界人で、数百の事業を行いあまたの役職に就いていた渋沢栄一だが、七十歳のときに役職のすべてを辞するも「東京養育院長」の肩書だけは亡くなるまで大切にした。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~   2021年11月23日 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。                          政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 巨大な財界人で、数百の事業を行いあまたの役職に就いていた渋沢栄一だが、七十歳のときに役職のすべてを辞するも「東京養育院長」の肩書だけは亡くなるまで大切にした。 ───────────────────────────────────  日本資本主義の父・渋沢栄一の生涯を描いた今年の大河ドラマ「青天を衝け」(全41回)は、12月26日に最終回を迎えるということで、残すところあと5回の放映となった。幕末から明治維新を果敢に駆け抜け、日本の近代化に大きく貢献した渋沢栄一の偉業に学ぶべきところは多々ある。数え上げればきりがないほど、多々あるなかで、特にいまこそ学ぶべきことは何かと考え、ひとつ選ぶとしたら、筆者が迷わず選ぶ「学び」は、渋沢栄一が生涯その肩書を大切にしていたという「東京養育院」への貢献である。明治の初め、首都東京の困窮者、病者、孤児、老人、障害者の保護施設として現在の福祉事業の原点ともなる養育院が設立された。その設置資金には、松平定信が定めた江戸の貧民救済資金「七分積金」が使われ、その管理を担当していたのが「日本資本主義の父」渋沢栄一だった。渋沢栄一は1874(明治7)年より養育院の運営に関与し、1876(明治9)年5月11日に養育院事務長に任命され、1890(明治23)年に東京市営となってからは養育院長に就任した。実業人として多忙を極めながらも栄一にとって、養育院長の仕事は、片手間でも、単なる名誉職でもなかった。91歳で亡くなるまで約50年間精魂込めて院長を続け、東京府会が明治十七年に「救済機関は惰眠養成の機関」という理由で「養育院廃止」の議決をしたときには、「廃止論」に果敢に反対して、養育院を守り通したのだった。  岸田首相は「18歳以下の子供1人10万円支給」などを盛り込んだ財政支出55兆円規模の経済対策を打ち出した。いま経済の立て直しが急務であることは確かだ。しかしその対策のなかでも特に、コロナ禍で失業し住居まで追われてしまった生活困窮者が置き去りにされないよう対処すべきことであり、それこそ「渋沢栄一に学ぶ」べきところであるだろう。以下、板垣英憲(いたがきえいけん)ワールド著作集より、「渋沢栄一に学ぶ」(「法人うらわ」2000年新年号より掲載)のなかから「東京養育院」にまつわる内容と、栄一の慈愛を育んだ母「お栄さん」のエピソードを紹介する。 *お人好しで大人しい母  渋沢栄一は、父・市郎右衛門(号・晩香)はもとより、母・栄(えい)からも大きな感化を受けていた。母は、家族や近隣の人々から「お栄さん」と呼ばれた。お栄は、家付きの長女である。  栄一の郷里・血洗島村には天保時代、戸数が五、六十戸で、渋沢姓が十七軒あった。位置によって、  「東の家(ひがしのうち)」 「西の家(にしのうち)」 「中の家(なかのうち)」 「前の家(まえのうち)」 「新屋敷」などと呼んで区別していた。栄一の生家は、「中の家」と呼ばれていた。  この「中の家」は、家運が傾いたので、それを挽回するために「東の家」の三男・元助が養子に迎えられて、「中の家」の通り名である「市郎右衛門」を名乗った。父の努力の甲斐があって、栄一が物心のついたころには「村一番の財産家は、東の家で、第二が中の家」と言われるまでに挽回していた。お栄は父親に似てお人好しで、家付き娘とは思えないほど大人しい性格だった。養子とはいえ夫に忠実に仕え、かいがいしい内助の功があったことは言うまでもない。
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