□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月25日第338号 ■ ========================================================= しょせんオバマの相手ではなかった安倍ということだ ======================================================== 今度のオバマ大統領の国賓訪日で分かった事。 それは、日本の首相である安倍晋三という政治家は、しょせんオバマ米国大統領の相手ではなかったということである。 TPPが合意できなかったからではない。 国賓訪日であるにも関わらず共同声明ひとつだせなかったからそういうのではない。 首脳会談直後に行われた共同記者会見におけるオバマ大統領と安倍首相の発言の、そのあまりの格差を聞いて、つくづく私はそう思った。 いたずらに日米同盟重視を唱え、オバマ訪日の成功を強調する事に終始する安倍首相に比べ、米国の国益を堂々と主張し、日中融和の重要性を諭し、ウクライナ問題におけるプーチンの誤りを非難するオバマ大統領は、まさしく米国の大統領だった。 こんな二人が首脳会談を行い真剣勝負をしたのだ。 相手になるはずがない。 はじめから安倍首相に勝ち目はなかったのだ。 習近平やプーチンやメルケルと渡り合ってきたオバマにとって、安倍首相は唖然とするほどお粗末な相手だったに違いない。 もはやオバマ大統領はその任期中に日本に来ることはない。 国際会議の際に言葉を交わす事があっても、まともな首脳会談は、もはやオバマ大統領と安倍首相の間で行われる事はない。 安倍首相の対米外交はこれで終わったのだ。 それにしても、オバマ大統領自らが「尖閣への安保適用」を口にしてくれたことは大きな成果だと強調する御用メディアの提灯ぶりはどうか。 こういう腐りきったメディアに囲まれている限り、国民もまた世界に通用せず、漂流するしかない。 中国の報道官は日米安保条約にしがみつく安倍首相を見てこう応えたという。 「日米安保条約は冷戦時代の産物だ。第三国を標的には出来ない」と。 その通りだ。 日米同盟至上主義は、まさしく冷戦思考から一歩も抜け出せないガラパゴス的外交の置き土産なのだ。 戦後70年、日本は国際政治の中で限りなく小さくなりつつある。 戦後レジームを取り戻すはずの安倍首相が永続敗戦論の蟻地獄に陥っている。 その事を教えてくれたオバマ大統領の国賓訪日だったのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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