□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月25日第142号 ■ ============================================================== 櫻井よしこ氏の助言を無視した安倍首相 ============================================================== きのう(24日)のメルマガ第139号で書いたばかりだ。 安倍首相の思想的支柱になっている愛国・保守の論客櫻井よしこ氏が週刊新潮2月28日号の連載コラム「日本ルネッサンス」の記事の中で安倍首相に渾身の助言をしていると。 すなわちオバマ政権はもはや安倍首相の価値観外交とは根本的に相容れない政権でありその違いを飲み込んでまで良好な日米関係を保っていけるかは疑問である。そのような無理を重ねるよりは、いまこそ自主・自立した外交・安全保障政策を推し進める時だ、と。 私は櫻井氏とは自主・自立した外交・安全保障政策に関する考え方において大きく立場を異にするが、対米従属から自立すべきであるという点においてはまったく同じ考えである。 そしていまの日本にとってはなによりも日本を米国の占領状態から取り戻す事が国民のために最重要であると考える。 ところがきょう2月25日の朝日新聞の記事を見て驚いた。 日米首脳会談を終えた安倍晋三首相は23日、米ワシントンでフジテレビの取材に応えてこう述べたという。 「同盟国として一緒に仕事をしていく意味で大変ケミストリー(相性)が合った」と語って信頼関係の構築に自信を見せた、と。 わずか1時間ほどの会談でそんな事がわかるはずがない。 あらかじめ用意された発言だ。あきらかな嘘だ。嘘でなければ一方的な願望だ。 せめて櫻井よしこ氏の助言に耳を傾け、「違いを飲み込んで、日本のためにオバマ大統領と良好な関係を築いて行きたい」ぐらいの事を言うべきだったと思う。 「ケミストリーが合った」と臆面も無く言ったという事は、ものの見事に朋友櫻井よしこ氏の助言を一蹴したということだ。 それだけではない。安倍首相の下に集まる多くの愛国・保守の仲間たちの反対を押し切ってTPPに賛成した。 安倍首相は「日本を取り戻す」という自らの公約と「オバマ大統領とケミストリーが合った」という言葉の相克に、これから苦しめられる事になる(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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