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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

北方領土問題でロシアに媚びるもう一つの従属外交
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年2月24日第141号 ■   ==============================================================    北方領土問題でロシアに媚びるもう一つの従属外交  ==============================================================  たった一回の話し合いで日米同盟は完全に信頼関係を取り戻したと言い放つ言葉の軽さ。  たった一枚の紙切れでTPP交渉には例外を認めさせたと言いくるめる大嘘。  それもこれもすべては対米従属外交の結果である。  これが自立する国家を目指した安倍首相の外交なのである。  しかし対米従属外交はそれだけではない。  安倍訪米の記事ばかりが大きく取り上げられる中で、森元首相の対ロシア特使外交も見落としてはならない。  それを報じるメディアの報道ぶりの嘘くささもまた安倍首相の訪米をめぐる報道に引けを取らないほどの捏造振りである。  そんなメディアの中でひときわ異彩を放っていたのが2月23日の産経新聞の社説である。  「『異常事態』露が打開せよ」という見出しのその社説は、「日露間に平和条約がないのは異常だ」と語ったプーチン大統領の言葉を逆手にとって、とんでもない言い草だ、異常事態を招いたのはロシアであり、その異常事態を打開する責任はロシアにこそあるのだ、と要旨次のように書いていた。  すなわち北方四島は先の大戦の終戦時の混乱に乗じてソ連が日ソ中立条約を破棄し、武力占領した。プーチン氏はその後継国家の元首として歴史の不正を正す責任がある、と。  これは正論である。  他のどの新聞も書かない正論を産経はたまに書く。  それだけでも読む価値はある。  ソ連は日本との間で結ばれていた日ソ不可侵条約を一方的に破棄し、広島に原爆投下されて降伏直前の日本を見て1945年8月9日に参戦して戦勝国の仲間入りをた。そして戦利品といわんばかりに北方領土を不法占有したのである。  これは日本国民が決して忘れてはならない史実である。  このような許し難い歴史を忘れてプーチン大統領の「引き分け」発言をありがたく繰り返す森元特使。  そんなプーチン大統領との会談をありがたがって急ぐ安倍首相。  それで北方領土を返してくれるのならいい。  しかしその保証はまるでないことは子どもでもわかる。。  それでも訪露して北方領土問題は進展したと言い張るなら、これほど卑屈な外交はない。  しかも2島でいいと言う。半分でいいと言う。  いいだろう。半分でも帰ってくれば。2島でも本当にプーチンが返してくるなら。  だがロシアは1インチも返さないこともまた誰もが知っている。  もう一つの従属外交である。  日本を取り戻す自主・自立した外交の対極にある見せかけの外交である。  その事をどのメディも知っていながら書かない(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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