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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

米国の方から日米同盟を破棄される可能性
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月17日第386号 ■   ==============================================================   米国の方から日米同盟を破棄される可能性  ==============================================================  日本が日米同盟の束縛から解き放たれる日は来るのか。  少なくとも日本政府からそれを言い出す事はいまの政治状況のなか ではありえないように思える。  しかし米国の方からそれを言い出す時が来るかもしれない。  むしろその可能性のほうが現実的だ。  悲観的な話だが私はそう考える時がある。  もちろん近い将来においてそれはあり得ないだろう。  なぜならば日本はまだまだ米国にとっては金の卵だ。利用価値は大 いにある。  だから米国側の要人が時としてそのような事を口に出してもそれは 真意ではない。脅しや駆け引きなのだ。  しかし日米同盟にメリットがないと米国が判断するようになれば、 今度はいくら日本が日米同盟維持を懇願しても米国はあっさりとそれを 捨て去るだろう。  そう思わせる記事を発売中の週刊エコノミスト5月22日号に見つ けたので紹介したい。  そして私はそれをおそれたり、好ましくないと考える必要はないと 思っている。  むしろそれをきっかけに世界が羨む日本をつくればいいのだ。  米国アジア研究所上席顧問を務めるニコラス・エバーシュタット氏が 時事評論紙「ウィルソン・クォータリー」2012年春季号に「日本、 縮む」と題する論文を寄稿したという。  その中で彼は次のように論じているという。  「日本の人口縮減が、来る数十年間で世界経済における貢献度や 影響力を大幅に削ぎ、世界政治にあける役割も縮小する可能性がある」 と。  これに呼応して元米海軍大学教授のスーザン・ヨシハラ氏も4月上旬 にサンディエゴで開かれた国際研究学会の総会で次のように述べたという。  「(毎年)100万人の人口減が予想され、2060年には人口が 30%減る日本を、米国が引き続きアジアの最重要同盟国としておく ことは、米国のアジア地域における影響力が不安定化する事を意味する」 と。  「米国のアジアにおける新しい同盟国候補は、米国と民主主義的価値 を共有し、米国と同じく中国の台頭に懸念を抱き、米国と同じ人口増加 傾向を示すインドが最適だ」、と。  重要な事はエバーシュタット氏にしてもヨシハラ氏にしても日本との 同盟関係を担当している専門家ではないということだ。  だから彼らには日本に対する意図的な情報操作がないということだ。  彼らの見方は案外と米国の本音を語っているのかもしれない。  しかし今事を知って悲観する必要はない。  、むしろ米国の日本離れを奇禍としてよりよい日本をつくりなおせば いいのだ。  私は思う。我々団塊の世代が日本から消えていく二十-三十年以降の 日本はあらゆる意味で様変わりになるに違いない。    今大騒ぎしている社会保障問題にしても年金問題にしても団塊の世代が 死に絶えた後はすべて解決するのではないか。  その時国力は確かに低下するかもしれないが、成長第一主義や競争主義 の考え方が影を潜め、世界のパワーポリティクスから無縁の住みやすい 中規模国家として生まれ変わることができるかもしれないのだ。  すべては団塊の世代が世の中の大勢にとどまっている時の発想で物事を 考えるから日本の未来は不安なのだ。  良くも悪くも今の日本をつくった責任の一端は団塊の世代にある。  彼らは生きているうちに日本の政治を変えるために貢献の一つでもしな ければいけないと思う。                                了 ◎おしらせ  【天木×植草リアルタイム時事対談】第5弾について以下の通り 配信が決まりました。 ■天木×植草リアルタイム時事対談 http://foomii.com/files/interview/nightlive2012/ ●出演:天木直人(元外交官)、植草一秀(政治経済学者) ●配信日時:2012年5月26日(土曜日)       19時00分~20時30分放送予定  今回のテーマはズバリ、小沢裁判の無罪判決とその後の控訴の持つ 意味。そして小沢氏の復権はあるのか。あるとすればその最善の シナリオは何かを、二人が自らの持つ情報と、その考えについて思う 存分に語ります。  その他にも最近の国内、国際情勢について時間の許す限り語ります。  有料メールマガジン読者は「リアルタイム時事対談」生配信を無 料で視聴できます。生配信の視聴方法については26日当日に有料 メールマガジンで案内されます。  見逃した読者へはアーカイブ動画配信として後日、有料販売される 予定です。    天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実を リアルタイム解説  http://foomii.com/00001 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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