□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月9日第113号 ■ ========================================================= 米国のイラク占領を証明した読売新聞の記事 ======================================================== まず次の記事を読んでいただきたい。 「イラク米大使館 要員半減検討 大半は民間」という見出し で書かれているワシントン発白川義和記者が書いた2月9日の 読売新聞の記事からの引用だ。 「・・・米紙ニューヨーク・タイムズは7日、米国務省が米民間 警備要員を含むバクダッドの米大使館の要員約1万6000人に ついて最大で半減の大幅削減を検討していると報じた・・・」 このニューヨーク・タイムズ紙の報道について、読売新聞の 白川記者は次のように解説してみせる。 すなわち、米大使館要員の相当部分を占めるのが民間警備要員 でありその警備員がイラク人から「威圧的」だとして反感を買って いる現実があり、同要員の数を減らし、イラク人の雇用を増やす ことで、イラクの対米感情改善を図る狙いがあると見られる、と。 この解説はそれなりに正しいだろう。 しかし私が言いたいのはそんな事ではない。 米大使館の要因として1万6000人もの米国人がイラクに駐在 していたという驚くべき事実だ。 しかもニューヨーク・タイムズ紙によれば外交官だけでも 2000人もいると言う。 これは何を意味するのか。 米国がイラク攻撃を始めた当時からレバノンでは次のような事が 公然と語られ、報道されていた。 すなわち米国はバクダッドの米大使館の立て替え工事を始めると。 その大使館は世界で一番大きな大使館になるだろうと。 世界のほとんどの国において、米国の国力を反映して米国大使館 は常に他の国の大使館より大きいのが常だ。 その米国の大使館の中でも、米国政府はイラクにつくる大使館を 米国のほかの国にある大使館よりもずば抜けて大きいものをつくる というのだ。 文字通り世界で一番大きな大使館を建設するという。 大使館の大きさは通常は設置される国の重要性によって決め られる。 たとえば日本の場合、在米国日本大使館が一番大きく、ロシア だとか中国だとか英仏、韓国などが大きい。 その事は米国の場合も同様である。 それにも関わらずなぜイラクに新しくつくる大使館が世界一巨大 なのか。 それは米国がイラクを末永く占領支配するつもりであるからだと 皆がいい、報じられた。 どんな大使館ができるのか見てみたいものだと皆が言っていた。 その後私はレバノンを離れ、その米国大使館がいつ完成し、どの ような数の米国大使館員が常駐し、そして彼らがイラクで何をして きたかを知らない。 それらを報じる日本の報道は皆無だ。 そして今回の読売新聞の記事である。 やはりイラクには世界最大の米国大使館が出来ていたのだ。 そのスタッフが1万6000人もいたのだ。 読売新聞のその記事は、米外交官の数だけでも2000人いる と言う。 この2000人はいわゆる外交官だけではない。 あらゆる行政官、弁護士などが外交官の身分で大使館として イラクに常駐し国造りに邁進してきたのだ。 米国が当初よりしてくれたという事である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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