□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月10日第114号 ■ ========================================================= 既存政党との連携に慎重姿勢をみせる橋下大阪市長に注目する ======================================================== きょう(2月10日)の各紙の報道の中で私が注目した記事は、 何と言っても朝日新聞が一面でスクープ報道した橋下大阪市長と 朝日新聞の単独インタビュー記事である。 これはきょうのビッグニュースだけではない。今後の橋下氏の 行動がこのインタビューどおりになれば、今後の政局に大きな 影響を与えざるを得ないビッグニュースになるに違いない。 私は橋下市長が誕生してまだ間もない2011年12月17日 のメルマガ第895号で橋下氏に対する助言としてこう書いた。 国民の期待を裏切らないためにも、既存のいかなる政党とも 連携するな、そして正しい政策を掲げよ、と。 この私の助言がどこまで彼に伝わったかはもちろんわからない。 しかし2月10日に掲載された朝日の単独インタビュー記事は 間違いなく私の助言に答えようとするものだ。 彼は言う。 「今の日本の統治機構では(みずから目指す政策の実現は) 絶対無理だ」と。 朝日の記事はこの発言を、既存政党との連携について慎重な 姿勢を示したものだと書いている。 橋下氏は言う。 「僕は国会議員にはならない」と。 朝日はこれを、これまでにもそのような事を言ってきた橋下氏 が「改めて否定(した)」と解説してみせる。 そして私が注目したのは次の言葉だ。 すなわち橋下氏は国政レベルの課題について「僕らは何をやる かまだ示していない」、と述べたのだ。 もし橋下氏が最後まで既存の如何なる政党とも連携しない方針 を押し通すのなら私の助言の一つが聞き入れられたということだ。 最後までそれを貫徹すれば大したものだ。 しかし腰砕けになれば、その時点でお終いだ。 このインタビュー記事で私が最も関心を持つのは「僕らは何を やるかまだ示していない」と述べているところだ。 たとえ彼は今すぐには国会議員にならないとしても、そして 間違いなく今度の選挙ではみずから国政に出ないだろうが、「大阪 維新の会」の代表として今度の選挙で国政に進出する事を宣言して いる。 国政に参加する以上、政策を国民の前に明らかにしなければなら ない。 そしてその政策が明らかにされた時点で彼の評価が固まる。 その政策は、彼のこれまでの言動や、彼の取り巻き連中の発言 などからほぼ明らかだ。 私の言う「正しい政策」からは程遠いものがある。 しかし、私は世の中の左翼的な言論人たちのようにまだ彼を頭 から否定はしない。 大阪維新の会に群がるものや取り巻き連中にはうんざりだが、 すべてを決めるのは橋下徹自身だ。 その政策を「大阪維新の会代表」である彼の口から聞く時まで 私の彼に対する評価は定まらない。 「強者に弱く、弱者に強い橋下」の正体をさらけ出すかどうか である。 ひょっとして難しい政策課題については明言を避けるかもしれ ない。 普天間問題とか消費税造成問題とかTPPとか日米同盟とか 対中政策とか戦争責任の問題とか、国論を二分する問題ははっきり させないかもしれない。 それはそれで橋下徹の正体だ。 それが分かる時がもうすぐ来る。楽しみだ。 このメッセージが彼に届くだろうか。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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