□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年5月29日発行 第371号 ■ =============================================================== 菅首相に小泉元首相のいい加減さがあればもっとサミットで活躍できた =============================================================== 数あるサミット総括記事の中で5月29日の読売新聞「G8閉幕」 という記事の次の表現になるほどと思わされた。 その記事は、菅首相が鳴り物入りで演説したつもりの「再生可能 エネルギーの飛躍的拡大」について、それが達成されても2020年 の末でたった20%ではないか、それでは原発の重要性は変わらない、 原発の重要性を認めたようなものではないか、と書いていた。 まさしくその通りなのだ。 菅首相のこの発言は、担当大臣である海江田経済産業大臣が「聞い ていない」と告白し、菅首相の思いつき発言であることをあらためて 国民に知らしめることになった。 私は思いつきの発言が悪いとは思わない。すべては中身次第だ。 菅首相の思いつきの発言の最大の問題は、思いつき発言でさえ、 この程度の発言しかできなかったのか、ということだ。 これでは世界はなんとも思わない。当たり前の話だ。 そう思っていたら5月29日の各紙が、小泉元首相が地元横須賀市内 で行なった講演発言を報じていた。 それによれば小泉元首相は「日本の進むべき道」と題して次のように 話したという。 すなわち日本が原発の安全性を信じて原発政策を進めてきたのは誤り だった、これ以上原発を増やしていくことは無理だ、原発への依存度を 下げ、世界に先駆けて自然エネルギーを推進しないといけない、と。 よく言ったものだ。さすがにこの発言にはあきれた。あきれたけれども これが正論なのだ。 この発言こそ菅首相がサミットで発言すべき言葉だったのだ。 世界の脱原発主義者は喝采を送っただろう。 同じ無責任さでも、菅首相と小泉元首相では役者が違う。 どうせ思いつきの発言だ。この小泉元首相のいい加減さが菅首相に あればサミットでの存在感は示せたと思う。 サミットでの存在感が示せたなら、サミット後の菅おろしにも堂々と 対抗できたと思う。 いまとなっては手遅れではあるが。 了
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