□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年5月24日発行 第359号 ■ =============================================================== 「原発継続しかない」と言い切った葛西敬之JR東海会長 =============================================================== 葛西敬之JR東海会長という人物がいる。いまや様々なところで 現実主義的、タカ派的発言を繰り返している財界ご意見番の如き存在だ。 対極的な考えを持つ私は、トヨタの奥田碩相談役と並んで葛西氏の 言動をたびたび批判的に書いてきた。 そんな葛西氏が5月24日の産経新聞紙上で真っ向から原発推進を 唱えている。 「原発継続しか活路はない」と題するその主張の要旨は次のごとくだ。 ・・・今日の原発は50年に亘る関係者の堂々たる努力と数十兆円 に上る設備投資の結晶であり、それを簡単に代替できる筈がない。 原発を止めれば電力供給の不安定化と電力単価の高騰を招き、企業の 悪化、設備投資・雇用の縮小、経済の停滞・空洞化、税収の減少、財政 の悪化、国債の信用崩壊などの連鎖で日本経済は致命傷となる。 冷静に現実を見れば結論は自明だ。今回得られた教訓を生かして即応 体制を強化しつつ、腹を据えてこれまでどおり原子力を利用し続ける以外 に日本の活路はない。被災地復興と言う大事業のためにも日本経済が力 強く活力に満ちたものにならなくてはいけない・・・ いまやあらゆる者が脱原発を言い始めている中で、ここまで原発政策 継続の必要性を正面から訴えられるのは、敵ながら天晴れだ。 サルコジ大統領やオバマ大統領が泣いて感動するに違いない。 一方において世論に迎合し、他方において米国に従属して、わけのわから ない原発発言を繰り返してサミットに臨む菅首相より、はるかに潔い。 了
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