□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年5月24日発行 第358号 ■ =============================================================== 本音をバンバンと語り始めた電波芸者たち =============================================================== 田原総一朗のことを電波芸者と呼んだのは辛口評論家の佐高信 である。 さすがの私もそのような激しい言葉を使って人を批判する度胸 はないが、権力や金におもねってご権力迎合的な言論を、メディア を使って流すという意味では、言い得て妙である。 その田原総一朗氏や、いまや一介の民放の報道記者かられっきと した政治・経済評論家となった感のある辛坊治郎氏が発売中の週刊 朝日6月3日号で、奇しくも二人並んで本音を語っている。 すなわち、田原総一朗氏は「ギロン堂」連載639号で、事実より 「無難」を追求する大メディアの自主規制、と題して、次のように 書いている。 大手メディアが「無難」とか「コンプライアンス」という言葉の 名に借りて自主規制を続けていると、もはや自由に発言、表現できる メディアが、ニコニコ動画やユーストリームといったインターネット メディアに限られ、大手メディアは大本営発表ばかりとなりはしないか、 と。 その一方で辛坊治郎氏は、週刊朝日であたらしく始まった自らの 連載コラム「甘辛ジャーナル」において、「菅総理はなぜ突然、浜岡 原発だけを止めたのか」と題して、次のように書いている。 そこで彼が言っていることは、信頼すべき筋から得た情報として、 浜岡原発の停止要請は放射能物質が横須賀基地に降り注ぐことを懸念 したアメリカサイドからの強い働きかけがあった、という、すでに 様々なところで言われているものだが、私がここで注目したのはその 事ではない。 彼は他のところでこう言っているのだ。 「・・・これは(自らを)恥じるしかないのだが、マスコミの世界で 30年以上糊口を凌いできた体験から、今まで日本では業界の利害を 超えたところで、本当に客観的な視点でエネルギー政策の議論をする のは不可能だったと思う・・・」 辛坊治郎が電波芸者を自ら認めた瞬間である。 どうやら原発事故と放射能被曝は、それを隠蔽してきた政権の末期と ともに、皆が本音を語り始め出したようだ。 それはそれで歓迎すべきことである。 了
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