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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 前原外相と外務省の関係を占う駐米大使人事
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年11月10日発行第191号 ■       ===============================================================          前原外相と外務省の関係を占う駐米大使人事     ===============================================================  今週の週刊誌を見て驚くのは、どの週刊誌も菅民主党政権の外交を コテンパンに叩いていることだ。  週刊現代、ポストに始まって週刊朝日、サンデー毎日がそうだ。週刊 プレーボーイまで叩いている。  明日発売される週刊新潮や週刊文春などもそうだろう。  菅首相の無能ぶりはもとより仙谷官房長官や前原外相の稚拙な外交ぶり までも痛烈に批判している。  これは尋常ではない。  しかし、それにもかかわらず菅首相に代わる指導者が見えてこない。  民主党政権に代わる政権が見えてこない。  菅首相が「石にかじりついても総理を続けたい」といえばそれがその通り になるのだ。  そこが今の政局の緩んだところだ。  もっとも政治の世界は、「一寸先は闇」というからどうなるかわからない。  APECが終われば政局は急変するかもしれない。  気がついたら前原首相が誕生しているのかもしれない。  それはそれで、私にとっては書くことが山積する事になるから歓迎すべき 事である。  話がそれた。このメルマガで私が書こうとしているそのような政局の事 ではない。  一連の菅外交たたきの記事の中で共通に書かれ始めたのが、外務官僚と 菅政権のあつれきである。  外務官僚の無能さと情報不足が菅外交をここまで追い詰めた。  そんな外務官僚を相手にしない政治主導の外交が菅外交をさらに悪化させた。  本来ならば無能な外務官僚を更迭したいところだが、それをやると外務官僚 が本気で抵抗してくるから、さすがの前原外相もそれが出来ない・・・  などなど。  果たしてこれらの記事は正しいのか。  外務官僚と菅政権の関係の実態は、敵対的なのか、親和的なのか。  それを占う格好のリトマス試験紙がある。  それは次期駐米大使が、どういうタイミングで、誰に交替するかである。  今の藤崎駐米大使はとうの昔に任期が来ている。  彼が特別に有能であるわけではない。米国に人脈を築いているわけでもない。  藤崎大使がこの先駐米大使であり続けなければならない理由はどこにもない。  なぜ駐米大使の交代が先延ばしになっているのか。  その事が新聞記事にならないのか。  おそらく今必死の攻防が繰り広げられているに違いない。  かつて駐中国大使の後任に伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長が抜擢された時の 大きな理由の一つが、外務官僚には適当な人材が見つからなかったというの があった。  そしてそれは事実だった。  衆目の一致する外務官僚がいたならばおそらくあのような人事はなかった だろう。外務官僚であった私からみても人材はいなかった。  その事は、今度の駐米大使人事にも当てはまる。  駐米大使にふさわしい人材は今の外務官僚の中にはまったく見当たらない。  しかし、もし丹羽駐中国大使に続いて次期駐米大使まで外務官僚の外から 政治任命される事になると、それこそ外務官僚の面目は丸つぶれだ。  外務省の人事のルールそのものが崩壊する。  人事のルールが崩壊するという事は、外務省と言う官僚組織が崩壊すると いうことだ。  はたして前原外相はそれを断行できるのか。  関係者は固唾を呑んで見守っているのだ。  駐米大使の人事が奇妙に報道されなくなった理由がそこにある。                             了

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