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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

沖縄知事選で伊波候補を応援する川内博史に注目する
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年11月9日発行第187号 ■       ===============================================================           沖縄知事選で伊波候補を応援する川内博史に注目する     ===============================================================  今の政治家の中で私が最も注目している政治家の一人は川内博史民主党 衆院議員である。  テレビに頻繁に出演して名前を売ろうとしている政治家にろくな政治家は いないと思っているが、その中でも川内議員は違う、そう思って見てきた。  その川内議員が沖縄知事選に絡んで私の関心をひきつける行動をとった。 伊波候補の総決起大会に出席したというのだ。  沖縄知事選は11月11日告示、28日投開票である。  ここまで選挙が近づいているというのに沖縄知事選がらみの報道が少ないの はなぜか。  それはもちろんAPEC首脳会議が終わるまではその記事ばかりを各紙が 競うからだ。  しかしもう一つの理由がある。それは知事選の結果が見えてきたからだ。  すなわち条件付で県内移設を認める仲井真沖縄県知事と、国外移転を主張 する伊波洋一前宜野湾市長との一騎打ち状況の中にあっては、勝負は明らかに 仲井真知事側に傾きつつある。  もともと自公は仲井真知事を応援してきた。  民主党政権は日米合意を重視し普天間基地の辺野古移転を進めようとして いる。伊波氏を支持できる筈はない。  何と言っても、日米同盟についての考え方が伊波氏と仲井真氏との間では 決定的に違う。  11月5日の朝日新聞は伊波氏と仲井真氏との対談を企画しその対談内容を 掲載していた。  その中で伊波氏は次のように述べている。  ・・・(日米安保条約は)あらためるべきだ。米国の戦略に組み込まれる ような日米同盟の深化ではなく、隣の中国などとの関係も大事にしながら、 (日米安保条約を)友好条約に転換する流れを模索すべきだ・・・  伊波氏がここで言っている事は、表現こそ穏やかだが、まさしく私の主張 する「さらば日米同盟」である。  これに対し仲井真氏は、日米安保条約は堅持すべきだと断言している。  すなわち今度の沖縄知事選は、単に普天間基地の移転問題や沖縄住民の負担 軽減だけが争点になるのではない。  沖縄という日米同盟の歴史的な象徴の場所で、「日米同盟は是か非か」を 問う選挙であるということなのである。  こんな選挙がかつてあっただろうか。  残念ながら社民、共産、社会大衆党などが結束しても、自公民をはじめと した親米保守連合に勝てる見込みはない。  おまけに海兵隊のグアム移転は米国の規定路線だ。  それを見越して仲井真知事も条件付県内移転から県外移転を言い出して沖縄 県民の支持を得ようとしている。  菅民主党もまた自民党と同じように沖縄振興策をばら撒いて県民の理解を 得ようと必死だ。  菅首相は8日の衆院予算委員会で、沖縄県知事選の結果を見て普天間問題の 解決を急ぐ、などと答弁していた。これは仲井真知事の再選を見通した発言だ。  伊波氏に勝ち目はないのだ。  そんな中で民主党の川内博史衆院議員が沖縄入りし、伊波候補の総決起大会に 出席したという。  民主党は自主投票と言いながら、その一方で民主党の方針に反する候補者を 支持するなという。  だから川内氏の行動は党の方針に背くと、早速岡田幹事長が厳重注意したと 11月9日の各紙が報じている。  果たして川内議員は最後まで伊波候補を応援し続ける事ができるだろうか。  除名覚悟で伊波候補を応援するだろうか。  彼に続く有力民主党議員が現れるだろうか。  もし川内議員が最後まで伊波候補を応援するような事になれば、日本の政治 に何かが起きるかもしれない。  沖縄問題が動き出すかもしれない。  私の川内議員に対する評価は、彼が最後まで伊波候補を応援できるかで 決まる。  今度の沖縄知事選に関する私の関心はその一点である。                                  了

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