□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年11月8日発行第185号 ■ =============================================================== これは最強の反核メッセージだ =============================================================== 成功しているかどうかわからないが、私は自分の思いを伝える時は、 簡潔・明瞭に主張点を述べるように努めている。 自分の考えがはっきりしていないとそれが出来ない。 それを行う事はごまかさないという覚悟をともなう。 あらゆる反論を正面からを受けて立つ、という意思表示だ。 朝日新聞に「核なき世界へ」という連載がある。 11月8日の連載に登場したのは米国ミシガン州出身の詩人アーサー・ ビナードさん(43)という人だ。 1990年に来日し、日本語の詩作を行なっているという。中原中也賞や 日本絵本賞を受賞しているという。 朝日新聞の記事からその人の言葉を冒頭から以下に紹介してみたい。 「オバマ大統領はいずれ臨界核実験をやるだろうと思っていました。 腹立たしいが期待外れとはいえない。彼のプラハ演説は日本では高く評価され、 その残像が色眼鏡になってしまいました。でも、ノーベル平和賞授賞式では、 戦争を正当化するような演説でした。米国の大統領は、二枚舌どころか10枚 でも20枚でも舌を使い分けています。 核実験は中間選挙前の軍産複合体に向けた明確なメッセージだった。核兵器 でぼろもうけしてきた業界の利権は、今後も脅かされませんよ、と。 オバマ氏が『核なき世界』を目指しているなんて、幻想に過ぎませんね。 オバマ氏が広島を訪れても、何かが変わるわけじゃありません。賞味期限が すぐくるような政治家と、被爆地はスケールも時間軸も違うのだから、招待 するほどの価値はない。 『非核実現への政策を持って訪問しないとオレの立場がやばい』と思わせる 状況を、みんなでつくらなければなりません・・・」 これ以上引用を続けると著作権に触れる事になるから止めておくが、私は 核廃絶に関するオバマ大統領の姿勢に関し、これほど簡潔・明快な批判を 聞いた事がない。 極めつけは次の言葉だ。 「・・・未来を悲観する必要はありません。人間とはおもしろいやつで、 たまに本物の偉業を成し遂げることもある。オバマ氏も見かけ倒しの 『チェンジ!』ではなく、命がけでやれば方向転換できるはずです。そもそも 人間が作ったモノを人間がなくすのだから、やる気があれば可能でしょう。 海面上昇など人類が直面しているいくつもの地球規模の危機のなかでは、 一番成功する確率が高いと思います。」 久しぶりに胸のすく簡潔・明瞭な言葉を聞いた。 命がけで「チェンジ」を。 これだ。 これがなかなか難しいのだけれど・・・ 了
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