□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年11月5日発行第179号 ■ =============================================================== 権力に取り込まれていく政府批判の言論人たち =============================================================== 大阪地検特捜部のスキャンダルをきっかけに、そのスキャンダルの真相 が明らかにされないままに「検察の在り方検討会議」なるものがつくられた。 そしてその会議を構成する委員が11月4日に発表された。 その人選を見て驚き、失望した。 そもそもこのような検討会議そのものがいかさまである。 世論の批判をかわすためのアリバイ作りだ。 検察・司法組織の解体を避けるため、小手先の改革をまとめて幕引きしよう とする魂胆が透けて見える。 そのようなごまかしを上塗りするのが今回の人選だ。 座長があの迷走法務大臣であった民主党の千葉景子氏である。 委員の中には検察組織を守る事を至上命題とする但木元検事総長から、 検察批判の急先鋒である郷原信郎元東京地検特捜部検事、リベラル言論人 江川紹子まで、およそ立ち居地の異なる者たちのごった煮である。 こんな会議にまともな検察改革案の作成を期待するほうが無理だ。 菅首相の卑怯なところは、いわゆるリベラル、反権力で名を売ってきた 著名人をどんどんと政府内部に取り入れて世間の目をごまかす事である。 湯浅誠しかり片山善博しかり下村健一しかり。そして今度の郷原信郎や 江川紹子だ。 たとえ彼らがこころざしの立派な言論人であったとしても、管政権の中に 入ってしまっては何も出来ない。 菅首相そのものがいかさまだからだ。 たとえ菅首相が本物であっても彼に指導力がないからだ。 これら外部有識者がいかに自分の思いを政策に反映しようとしても、彼らに 決定権がない限りその思いを実現する事はできない。 菅首相は最後まで彼らを支援するつもりはない。出来ない。 結局はガス抜き、アリバイづくりのために利用されるだけなのだ。 話を「検察の在り方検討会議」に戻そう。 その評価は、もちろんその会議が最終的に提出する検察改革に関する提言の 中身で決まる。 しかしそれには時間がかかる。 その間に情勢は変化する。 管政権が続いているかどうかもわからない。 たとえ提言が菅首相の下で提出されたとしても、検察特捜部の一部廃止とか 検察の部分的可視化など、既に報じられ、実現が見込まれているような内容で お茶を濁すようでは不十分である。 小沢一郎を強制起訴した検察審査会は誤りだとして、それをつくった司法制度 改革は間違いだと断定できるか。 国民監視の下でも一度この国の司法・検察制度を再改革できるのか。 もっと言えば検察の裏ガネ問題を追及できるのか。 とてもそのような事にはならないだろう。 裏ガネ問題を追及する三井環氏や仙波敏郎氏や生田暉雄氏などこそ検討会議の メンバーに入れるべきであるのに、彼らがメンバーに入る事ははじめから排除 されていたに違いない。 そのような会議そのものがいかさまなのだ。 郷原信郎氏や江川紹子氏は、常日頃メディアで発言している彼らの主張が 通らなかった場合、席を蹴って去ることができるか。 会議にとどまって中途半端な提言を受け入れるようであれば、彼らもまた 偽物であるということだ。 了
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