… … …(記事全文1,991文字)長崎県・五島列島最北端の島、宇久島(長崎県佐世保市)で巨大な開発事業が始まろうとしている。宇久島のほぼ島の4分の1に相当する約720ヘクタールの土地に太陽光パネル150万枚を敷設する超大型太陽光発電所の計画だ。大口出資元の九電工の石橋和幸社長は4月28日の会見で「2026年度中の完成を目指す」と話した。
宇久島は面積24・92平方キロ、人口約1600人の島だ。町村合併で佐世保市になっているが、1955(昭和30)年ごろには約12000人が住んでいたこともあるのだが、平成の大合併以後は、むしろ人口の流出が加速し、今では年に100人が島外に出て行ってしまうのだという。
そんな過疎の島に2013(平成25)年4月、独のフォトボルト・ディベロップメント・パートナーズ(PVDP)が計画を進めてきた。2014(平成26)年6月には、フォトボルトのほかに九電工、京セラ、みずほ銀行、オリックスの4社が加わり、2018(平成30)年、フォトボルトとオリックスが抜け、九電工が中心となって開発を進めることになった。この枠組みが変更されたことによって、新たな特定目的会社(SPC)「宇久島みらいエネルギーホールディングス合同会社」がフォトボルトから権利を取得し、SPCの子会社「宇久島みらいエネルギー合同会社」(長崎県佐世保市)が事業主体となっている。
すでに島内には資材がおかれた空き地が点在し、一部では着工されている。そんななか、2021(令和3)年3月に発生したある人物の死が島内で噂にのぼった。島の北西部に位置する大久保地区に住む70歳代の男性が謎の焼身自殺を遂げたのである。こちらは風力発電所建設計画が横たわっていた。