… … …(記事全文4,449文字)先日、久しぶりに国際政治学者のグレンコ・アンドリー氏にお会いし、「トランプ大統領が提唱するウクライナでの停戦が、ウクライナや欧州、そしてアジアにどのような影響をもたらすのか」についてご意見をうかがいました。その内容を、このメーリングリストでも共有させていただきます。
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グレンコ氏は次のように語っていました。
「言葉は少々きつくなりますが、日本にとって、ウクライナが戦争を継続していることは、結果的に“戦争抑止”につながっています。ウクライナは日々、ロシアと北朝鮮の戦力を消耗させている。これら二国は、アジアにおいて日本にとって深刻な安全保障上の脅威となる存在です。
日本が直接戦わずとも、ウクライナがその両国の軍事的余力を削いでくれている現状は、アジアや欧州における軍事バランスの改善に寄与しています。すなわち、日本によるウクライナ支援は、たとえ非軍事的なものであっても、結果として日本自身の抑止力の強化にもつながっているのです。
日本にとって脅威となる2国の戦力が、ウクライナによって日々削がれている――その事実の意味を、私たちは深く考えるべきです。」
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侵略国家ロシアを許さないという正義の立場だけでなく、こうした戦略的な視点も含めて、ウクライナ支援の意義をあらためて共有できればと思います。
では、ウクライナ戦争停戦と脱植民地化というキーワード です。