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これで国が守れるのか?自衛隊・その未来

小笠原理恵(国防ジャーナリスト・自衛官守る会会長)

小笠原理恵

【自衛隊にも隊員への安全配慮義務がある】

自衛隊は自衛隊法で労働者を守る多くの法律から適用除外になっています。


自衛隊を適用除外にしている法律は、自衛隊法108条で「労働組合法、労働関係調整法、労働基準法、船員法の一部、最低賃金法、じん肺法、船員災害防止活動の促進に関する法律 及び労働安全衛生法、並びにこれらに基づく命令の規定は、隊員については、適用しない。」と規定されています。(細部の法令番号は省略したので画像を参照ください。)

 


労働基準監督署を受けることがないため、ヒドイ労働環境が放置されてきたのだと感じます。この労働基準法 (昭和 22 年法律第 49 号) では 「この法律及びこの法律に基いて発す る命令は, 国, 都道府県, 市町村その他これに準ずべ きものについても適用あるものとする」 と定めていて、公務員を対象外にするものではありませんでした。これを大きく変えたのがマッカーサー書簡です。

 

1948 (昭和 23) 年 7 月 22 日、「政府におけ る職員関係と, 私企業における労働者関係の区別」 を 基本としました。労組法・労調法・労基法の適用除外規定はこれで始まりました。一般労働者と公務員との職場待遇を大きく変えたのもGHQであり、今もその影響が大きいということです。

 

日本では自衛隊に労働組合がないことは当然と考えられていますが、諸外国では争議権等の制限はあるものの軍人にも職場環境の改善を求める権利があると認める国もあります。たとえば、オランダでは軍人25000人、憲兵25000人、警察25000人を含む労働組合がある。軍人にも職場環境の改善を求める権利があると認める国もある。

 

そんな問題が起きないように軍隊には敬意ある待遇を最優先で整えればいいだけですが、日本では自衛隊は公務員の中でも処遇は最悪レベルのままです。

 

これもまた敗戦で押し付けられたルールの弊害ではないでしょうか。

 

… … …(記事全文3,634文字)
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