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ウクライナ問題に米国の関税、メローニ首相は、どう考えているか?
イタリアのメローニ首相は、ウクライナ問題、アメリカがヨーロッパに課すであろう関税に関して、どう考えているのかを、彼女の発言を通して考えてみたい。
これは今後のヨーロッパを考える上でも重要だ。
なぜなら、メローニ首相はヨーロッパの主要国で最長の政権を誇っており、さらにEU議会でも保守派が増えていく中で自然と彼女の立場は、徐々にではあるが強くなっている。
また、EUは参加国全員一致が原則であるため、彼女の主張に反する事はEUでは決まらない事になる。イギリスのスターマー首相も、フランスのマクロン大統領もリベラル系であり、支持率は日に日に低下している。
そのような状況の中で、メローニ首相の発言は貴重である。
まず、ホワイトハウスでのトランプ大統領とゼレンスキーの決裂を受け、ヨーロッパは直ぐにウクライナ支援のための方法を模索したが、ウクライナ問題に関し、メローニ首相は、こう発言している。『私はフランスが英国に提案した欧州兵士のウクライナ派遣という提案について、イタリアは疑念を表明している。この提案は実施するのが非常に複雑で、その有効性に確信が持てない。それが、我々がイタリア軍をウクライナに派遣しないと言った理由だ。』
つまり、イタリアはウクライナ派兵に反対する事になり、EU軍の派遣は不可能になった。EU軍なんて今も存在しないのだが、これを機に造られる事も無くなった事になる。あとは個別に各国が行くしかないが、そうなるとイギリスとフランスだけで行くしかない。ドイツは日本と同様に縛りがキツく参加は不可能だ。
しかし、イギリスとフランスだけで、できるはずもない。
フランスなんてウクライナへの支援額すら少なく、支援していると称する金額は主にフランス国内でのウクライナ難民の保護にかかった金であり、それを支援額と称しているだけだ。
イギリスはウクライナ支援額こそ他のヨーロッパ主要国よりは多いが、イギリスにも荷が重すぎる。既にアメリカは武器の支援を止めており、CIAによる情報提供さえストップした。このような状態でイギリス軍とフランス軍を派兵する事は目隠し状態で戦地に行くのと同じで自殺行為だ。
よって、イギリスとフランスによる派兵はないはずだ。メローニ首相は、ウクライナ支援に関して、このような言葉も付け加えている。
『西側諸国は単なる地理的な場所ではなく、理想であり、文化であり、歴史であり、伝統であり、したがって文明なのです。』
これは何を意味するのか?
ウクライナは西側ではないと言っているに等しい。
確かにウクライナはゼレンスキー政権誕生の前も汚職や企業との癒着が激しく、民主主義国とは言えない状況だった。政権内にもロシア派と非ロシア派が蠢き、ユシチェンコ大統領は毒を盛られているし、次の大統領だったヤヌコーヴィチはロシアに亡命している。
メローニ首相としては、ウクライナは自由主義国家とは言えないし、ヨーロッパとも言えないと言っているに等しい。
そして、恐らくこの感覚は、ヨーロッパ各国がウクライナに対して抱いている感想である。
ユシチェンコ大統領(右が毒を盛られた後の顔)
メローニ首相は、トランプがヨーロッパ各国に課すであろう関税に関しては、次のように言っている。
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