Foomii(フーミー)

X(ツイッター)では言えない本音

鳥集徹(ジャーナリスト)

鳥集徹

#57【レプリコン】伝播を騒ぐのは「悪手」だ ~反ワクチン勢力が一網打尽にされないことを祈る~

レプリコン、レプリコン、レプリコンと、X(旧ツイッター)で連日のようにレプリコンワクチンの伝播を心配する人から「被害があったら責任とれるのか」などと絡まれるので、そういう人たちに無料部分で先に伝えておきたい。

 

「訴えられないように、十分注意してください」

 

あとさきのことを考えずに「伝播がある」という前提で騒ぎ過ぎると、後で大きなしっぺ返しを食らうかもしれない。だからわたしは、「伝播は極めて考えにくいという研究者がいる」「伝播が科学的に証明できなかった時のことも想像すべきだ」とXで警鐘を鳴らしてきた。

 

だが、具体的に書かないと意味が伝わりづらいようなので、あらためてここでしっかりと書いておきたい。わたしが想像すべきと言っているのは、「訴訟リスク」なのだ。あまりやり過ぎると、Meiji Seikaファルマから裁判を起こされかねない。

 

とくに被告となるリスクの高いのが、レプリコン伝播の理論的支柱や反レプリコン運動のリーダー格になっているインフルエンサーたちだ。彼らが伝播の恐怖を扇動し、それに乗せられる人たちが増えて、運動の成果が出れば出るほど、巨額の損害賠償を負わされる危険性が増していく。

 

そうしたことまで想像して、反対運動をやっているだろうか。「訴えられるのも覚悟の上だ。人が死ぬかもしれないのに、黙ってなんていられるか!」とまで言うなら止めはしないが、訴訟が起こってもマスコミはまず味方にはなってくれない。むしろ「反ワクチン」のトンデモの実例として報道されるだろう。そして、社会からの孤立を深めていくだけだ。そうなったら、レプリコン伝播の扇動を諫めてきた我々にも被害が及ぶ。

 

とにかく、反レプリコン運動にのめり込んでいる人たちに言いたいのは、対立している側の立場になって、自分たちを眺めてみたほうがいいということだ。レプリコンワクチン「コスタイベ」を販売するMeiji Seikaファルマの社長はじめ明治グループの幹部たちがどう思っているか。きっと、反レプリコン運動を苦々しく見ているに違いない。

 

現にコスタイベの販売は、非常に苦戦していると医薬業界の関係者から聞いている。この10月から使われる5種類のコロナワクチンの中で唯一希釈が必要なうえに、1バイアル16人分を6時間以内に使い切らないと廃棄しなければならないコスト効率の悪さが、一番の理由だと言われている。

 

だが、すでに反レプリコン運動の影響で、医療現場でも「レプリコンは伝播する」という話が広がっている可能性がある。そうなると、ますます販売に苦戦することになる。運動家たちは「成果が出た」と喜ぶかもしれないが、Meiji Seikaファルマの幹部にとっては、「営業を妨害された」と映るだろう。

 

この9月18日には、Meiji Seikaファルマの社員グループ「チームK」が書いた、『私たちは売りたくない! “危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭』(方丈社)という本も発売された。Amazonのすべての本の販売で「総合1位」になるほど売れており、発売翌日には3刷3万部までかかる勢いだ。当然、Meiji Seikaファルマの幹部は、ピリピリしているはずだ。

 

さらに、反レプリコン運動の活動家の中には、明治のお菓子やヨーグルトの不買運動まで扇動している人がいる。同じ明治だからダメージを与えてやれと考えているのかもしれないが、グループ会社とはいえ部門も会社も違う。食品部門にとってはとんだとばっちりだろう。一方、Meiji Seikaファルマの幹部にとっては迷惑をかけているという気持ちが高じるに違いない(実際には、不買運動はそれほど影響がないかもしれないが)。

 

さらに、「レプリコンを打った人は拒否」という店やクリニックがいくつも現れ、「レプリコンのせいで株価、輸出、インバウンド等にも影響が出る」と触れ回る人たちも出てきた。グループ会社どころか、レプリコンの接種者や日本経済にまで実害を及ぼす元凶と名指しされているのだ。企業イメージを守るためにも、ますます「何とかしなければ」と思うはずだ。

 

だとすれば何をするか。わたしがMeiji Seikaファルマの幹部であれば、「伝播」を煽っているインフルエンザーたちを「風評被害を受けた」という理由で訴える。「被害があったら責任とれるのか」などとわたしに言ってくる人たちに言い返したいのだが、あなたたちが煽れば煽るほど、あなたたちが尊敬している人たちが窮地に陥るのだ。

 

そして、裁判になれば何が争われるか。当然、重要な争点の一つとなるのが「伝播の被害があるかどうか」だ。実際にそれが科学的に証明されたならば、それを前提に反レプリコン運動を起こしたことには妥当性があり、損害賠償の責任を免れる可能性はある。しかし、伝播による健康被害が起こることを科学的に証明することが、果たしてできるだろうか。


それを言うと、反レプリコン運動の活動家たちが「伝播のリスクがあると言われているのだから、それがないかどうか調べるのは厚生労働省や製薬会社の責務だ」などと、甘いことを言ってくる。だが、調べたとしても、自分たちが不利益になることを公表するはずがない。政府厚労省や製薬会社が不都合な事実をごまかし続けてきたことは、コロナワクチンの一連の流れを見ていれば分かるではないか。

 

… … …(記事全文5,299文字)
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