Foomii(フーミー)

X(ツイッター)では言えない本音

鳥集徹(ジャーナリスト)

鳥集徹

#53【レプリコン恐怖煽り】は、いい加減やめるべきだ ~非接種者による「接種者差別」は許されない~

最初に断わっておくが、わたしは「コロナワクチン」に大反対だ。約3万7千件(うち重篤およそ9000件)にもなる医療機関からの「副反応疑い」の報告件数と、約1万2000件(うち認定およそ7900件)にもなる「予防接種健康被害救済制度」の申請件数、世界中から3000以上も報告されている有害事象に関する論文の数などを見れば、史上最大の薬害が起っているのは明らかだ。こんなにリスクの高い遺伝子製剤を「メリットがリスクを上回る」と強弁して、接種を続けるなんて狂気の沙汰としか言いようがない。

 

政府は即刻すべてのコロナワクチンの接種を中止すべきだ。そして、2021年から続く日本人の死者急増の原因がコロナワクチンなのかそうでないのか、政府から完全に独立した第三者の手で検証すべきだ。具体的には、国内の「接種者」と「非接種者」の予後(総死亡率、入院率、新型コロナ陽性率など)を、属性(性別、年齢、収入、健康状態等々)の偏りがないようにマッチングして比較する「前向き調査」を実施する必要がある。わたしは当初から、そう主張し続けてきた。その調査で接種者の総死亡率が高いことが分かったならば、接種を推奨した人間は、すべて責任を取るべきだ。

 

そして、もちろんレプリコンワクチンにも反対だ。10月からの定期接種で使われる予定の「コスタイベ筋注用」(Meiji Seikaファルマ)は、スパイクタンパクをコードしたmRNAをLNP(脂質ナノ粒子)で包んでいるという点で従来のファイザーやモデルナのコロナワクチンと変わらず、同様の薬害が起る可能性は十分にある。それに加えて、レプリコンはmRNAが自己増幅するという新規機序の薬剤であり、実戦投入されたならば臨床試験では把握できなかった害が顕在化する恐れもある。だから、反対するのは当然だ。

 

そのうえで、わたしは特定の反ワクチン勢力が続けている「レプリコン恐怖煽り」に懸念を表明する。その理由は、このウェブマガジンで2024年7月26日に配信した記事(「【レプリコン】ばかりにこだわるべきではない ~その隙に『ファイザー』が巨大な利益を狙っている~」)にも書いた通りだが、実際に起こるのか起こらないのか分からないリスクを言い立てて、人々の恐怖を過剰に煽るのは間違っている。あらためて、わたしがレプリコン恐怖煽りに反対する理由を列挙してみる。

 

1.コロナワクチンに反対しながらも、「レプリコンのmRNAが体内で無限に増殖したり、ヒトとヒトの間で伝播(感染)したりすることは考えにくい」との見解を表明するウイルス学者や免疫学者が、宮沢孝幸氏をはじめ複数いる。彼らは恐怖を煽る非科学的な主張が「反ワクチンはトンデモだ」という偏見をさらに強めてしまい、逆にコロナワクチン反対の足を引っ張るのではないかと懸念している(これについては参政党のYouTubeチャンネルに宮沢孝幸氏が出演して解説しているので、ぜひそちらを見てほしい/「レプリコンワクチンとは?ウイルス学者が語る日本導入の是非 宮沢孝幸【赤坂ニュース157】参政党」2024年8月23日)

 

2.Meiji Seikaファルマのレプリコンワクチンはすでに、ベトナム、米国、シンガポール、南アフリカ、そして日本国内でも臨床試験が実施されている。とくにベトナムではデルタ株流行時に約1万6000人を対象とした臨床試験(フェース3)が行われ、およそ8000人に実薬が投与されている。しかし、現在までに伝播が起ったという情報はなく、ベトナムの国境が封鎖されるといった国際問題も起こっていない。

 

3.この10月から実施される定期接種にはMeiji Seikaファルマだけでなく、ファイザー、モデルナ、第一三共、武田薬品の計5社が参入を表明している。これらのうち、もっともシェアを確保しそうなのがファイザーであり、レプリコンの使用は限定的になる可能性もある。にもかかわらず、レプリコンばかりを反対のターゲットにすれば、むしろファイザーを利することにつながる。コロナワクチン全般に反対すべきなのに、ファイザーを放置してMeiji Seikaファルマばかり攻撃するのはあまりに不自然である。

 

4.レプリコンの恐怖が煽られた結果、「感染してしまうのではないか」「恐ろしいことが起るのではないか」と不安を口にする人たちが実際に出ている。恐怖を煽ることで接種を思いとどまらせるのが狙いなのかもしれないが、一方で不安に陥った人たちを誘導して特定の政治運動に囲い込んだり、ビジネスのターゲットにしたり、反コロナワクチン運動を分断させるような別の思惑も働いているのではないかと懸念する。

 

5.レプリコン接種者の診察や来店を断るなど、「接種者差別」につながりかねない対策を表明している人たちがいる。これではノーマスクや非接種者を差別してきた「コロナ脳」や「ワクチン推進者」がやってきたこと同じである。本当に伝播を恐れているのだとしても、医師ならばPPE(防護服)を着るなどして、レプリコンの被害者を救うべきだ。接種者差別に加担するべきではない。


2024年8月21日には、X(旧ツイッター)の「mRNAワクチン中止を求める国民連合」のアカウントから、分子生物学者の荒川央氏がレプリコンについて語る、こんな動画も流れてきた。荒川氏の発言を書き出してみる。

 

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