… … …(記事全文5,566文字)そろそろ話題を変えたいのだが、またレプリコンのことを書かざるを得なくなった。というのも、先日X(旧ツイッター)に、「レプリコン治験に参加した人より」と題した文書のスクショが添付されて、回ってきたからだ。なお、わたしはレプリコンを含むあらゆるコロナワクチンに反対だ。その前提でお読みいただきたい。
さて、文書には、レプリコンワクチンの治験を受けたという3人の証言が文字起こしされていた。3人とも口をそろえて「契約違反になる」などと言いながら、レプリコンを打って健康被害を受けたこと、一緒に住んでいる人に同じような症状が起こったこと、つまり伝播があったらしいことが書かれていた。3人の証言を要約してみる。
(1人目)
仕事のない仲間何人かで接種。1人は倒れて歩けない状態に。1人は亡くなった。本人は働けるが、病気にかかりやすくなった。接種後1週間苦しみ、断食、運動、イベルメクチンなどで対応。一緒に住む恋人も同じ症状に。伝播しないのも、打って痛みが少ないのも嘘。高齢者はかなりの人数亡くなると思う。亡くなったのも5人ではない。
(2人目)
前に言っていた人の通り、亡くなったのは5人ではない。初日は大丈夫だったが、入浴中めまいがして、布団に行くまで「もう終わった」と思うほど辛かった。本人を助けてくれた母も1日置いてから具合が悪くなった。風邪の診断を受けたが、息ができず、心臓がバクバクして、湿疹がたくさんできた。お年寄りの体力では耐えられない人が多いと思う。
(3人目)
熊本で治験を受けた。コロナワクチン3回接種者のみ参加可能。病院で途中経過を聞かれ、1回につき1万円もらえる。接種した後3回ほど嘔吐した。仕事に行けず、その後は大丈夫だが、繰り返し具合が悪くなる。一緒に暮らす母親にも嘔吐、発熱の症状が出た。65歳以上が接種したら本当に終わると思った。5回クリニックに行き、計5万円もらった。
これらの証言が真実なら、ほんとうに大変なことだ。治験で5人以上が亡くなっているというのだ。しかも、本人にかなり苦しい症状が出ただけでなく、3人とも一緒に住む恋人や母親に同じ症状が出た。そして、3人ともが口をそろえて、高齢者の体力ではレプリコンの厳しい副作用に耐えられないだろうというのだ。10月からの定期接種が主に高齢者を対象にしているだけに、軽視できない情報だと思えてしまう。
一方で、俄かには信用できないことも書かれている。「治験で5人以上が亡くなっている」というが、どのワクチンの治験のことなのか。国内で承認済みのMeiji Seikファルマの「コスタイベ筋注用」は国内で約800人を対象に治験(第Ⅲ相試験)が実施され、420人が実薬を接種。ファイザー製ワクチン(起源株)を打った408人とで成績が比較された。PMDA(医薬品医療機器総合機構=厚労省管轄の組織で、医薬品の承認審査や安全性情報収集等を役割とする)に提出された資料を見る限り、この治験で死亡に至った有害事象は0とされている。
死亡が「5人」というのは、ベトナムで約1万6000人(実薬約8000人VSプラセボ約8000人)を対象に実施された大規模治験(第Ⅲ相試験)のことと混同しているのかもしれない。実はこの治験での死亡数は、コスタイベ5人に対してプラセボは16人だった。むしろプラセボのほうが死亡事例は多いのだ(だからレプリコンは安全だという訳ではない)。いずれにせよ、ベトナムの治験と国内の治験をごっちゃにした話ならば、情報の信憑性が落ちてしまう。
あるいはもう一つ、国内でVLPセラピューティックス・ジャパン社のレプリコンワクチンの治験が国内で実施されている。90人を対象に行われた第Ⅰ/Ⅱ相試験の論文のアブストラクト(概要)を見つけることができたが、60人に実薬が投与され、接種後26週(およそ半年)までに重篤な有害事象はなかったと記述されていた。また、2000人を目標症例数とする第Ⅲ相試験も実施されているが、まだ論文は公表されていないようだ(もし論文が公表済みなら教えてほしい)。なので、何人死亡事例があったのか不明だ。
いずれにせよ、上記の文書に書かれている「5人どころではない」という死者が、どのメーカーのどの治験でのことなのか、詳細が書かれていないので真偽が分からない。治験に参加した証拠が添えられているわけでもないので、この証言を信じるべきかどうか確信を持つことができない。もちろん、死者が出たのにメーカーが隠蔽しているとしたら重大問題だ。契約違反を心配すると言いながらSNSで曝露する前に、ぜひまともなメディアか藤江成光さんのようなジャーナリストに情報提供してほしい。もちろん私も、証言者本人からの連絡があれば話を聞きたい。
そしてもう一つ、不可解なことがある。それはこの証言が、絵本作家「のぶみ」という男性の元にDMで寄せられたものであり、彼のYouTube「【公式】絵本作家のぶみチャンネル」で、彼自身が読み上げた内容を元にしていることだ(1人目、3人目について語っているのを実際に視聴して確認した。2人目がどこで語っているのか分からなかったので、知っている方は教えてほしい)。彼のチャンネルを見ると、何度かワクチンの危険性についても取り上げているようだ。とはいえ、なぜ3人もの治験参加者が契約違反のリスクを冒してまで、メディアやジャーナリストではなく、絵本作家に告発のDMを送るのか、よくわからない。
それに、この証言を鵜呑みにしてはマズイと考えざるを得ない事実がもう一つある。それはのぶみ氏が東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラム「東京2020 NIPPONフェスティバル」の参加辞退を申し入れたことについて、彼がいじめ問題や不倫問題を起こしていたとする記事を文春オンラインが出していることだ(文春オンライン「オリパラ文化プログラム参加辞退の絵本作家のぶみ氏(43)に“いじめ問題”を直撃!「本当に腐った牛乳を先生に?」2020年7月24日」)。
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