… … …(記事全文3,938文字)お米の値段がなかなか下がりません。2月14日に江藤拓農林水産相が備蓄米の放出を発表しましたが、その時点でスーパーに並ぶ米は約4,000円(玄米5キロ)でした。その後もあまり変わっていません。米価高騰の原因をメディアは「去年が凶作だったから」とか「猛暑だったから」「インバウンド需要が増えたから」などともっともらしく解説しますが、去年の米の収穫量は前年度より18万トンも増えています。いくら外国人観光客が増えたといっても三食、米を食べるわけではないでしょう。
21万トンの米が行方不明になったという話、これも怪しいです。中国人の転売業者が買い占めているという噂もありますが、個人で21万トンを買い占めるのは無理でしょう。買い占めても保管場所があるのでしょうか? 政府は放出する備蓄米21万トンのうち、15万トンをまず集荷業者に売り、流通が正常化しない場合はさらに放出する計画だそうです。しかし残念ながら、これで米が値下がりすることはないでしょう。米価高騰の理由は流通の問題ではないからです。
なぜ政府は、農家の反対を押し切ってまで備蓄米を放出することにしたのか? 国民のための英断だったのか? この記事ではメディアが報じない、備蓄米放出の真相と日本の農業政策の失敗について分かりやすく解説していきます。