… … …(記事全文3,527文字)◆時代錯誤の「日本版NATO構想」
1月8日、公明党の山口那津男元代表は石破首相と面会し、欧州安保協力機構(OSCE)の「アジア版」を創設したらどうか、OSCEの本部を東京に置いたらどうかと勧めたそうです。石破首相は山口氏に「しっかり勉強してみたい」と言ったとか。もう引退した山口氏が新年早々、なぜこんなことをわざわざ言うのでしょうか。中国共産党(中共)が日本にすり寄ってくるのは自分たちが窮地に陥った時だけです。1月20日、アメリカ政府がトランプ政権に交代することを警戒し、中共は自分たちの子分の公明党を使って何とか日本をアメリカから引き離したいと考えているのでしょう。
OSCEは北米、欧州、中央アジア諸国などで構成する世界最大の地域安全保障機構といわれています。NATO(北大西洋条約機構)のような軍隊は持たず、紛争予防や復興などを通じた信頼醸成を目的とするとされていますが事実上、機能不全に陥っています。ロシアもウクライナもOSCEのメンバーであるにもかかわらずウクライナ紛争が勃発したのを見ても国家の地域連合というものがいかに当てにならないか、分かります。
石破氏は首相に就任した時も「日本版NATO構想」を口にしていましたが、時代錯誤もいいところです。民主党が政権を取った時に鳩山元首相が「東アジア共同体構想」を熱く語っていたのを思い出します。アメリカから「ルーピー(アホ)」といわれた鳩山氏は反米親中でしたが石破氏も鳩山由紀夫の再来ではないか、と思うほど反米親中、いや反米媚中です。今、東アジアの平和を乱しているのは中国だということがなぜ石破首相には分からないのでしょうか。中国にすり寄る日本はトランプ政権から見たら「敵国」に見えるかも知れません。このままでは日本はレッドチーム入りしそうで恐ろしくなります。