… … …(記事全文3,742文字)◆玉川徹、アメリカの有権者を敵に回す
11月6日、ドナルド・トランプ氏は南部フロリダ州の集会で「第47代大統領に選ばれたことを誇りに思う」と、米大統領選での勝利を宣言しました。翌日、テレビ朝日系の「羽鳥慎一モーニングショー」が選挙の詳細を報じました。トランプ氏は勝敗の鍵を握るとされた激戦州のノースカロライナ、ペンシルベニアなど7つの州すべてで勝利し、事実上の圧勝でした。ネット上ではこういう結果を予想する人が少なくなかったので、おそらく驚く人はいなかったでしょう。ところが番組の中で元テレビ朝日社員の玉川徹氏が「こんなに早く決まるとは思ってなかった。接戦だと聞いていたから」と驚いていたので、そのことに私は驚きました。
さらに玉川氏は「これからの4年間は嫌なニュースをずいぶん見そうな感じがしますね」「トランプ氏が相手だと、米国では女性が大統領になることは難しいのではないか」などと言うので、本当に呆れました。この発言はトランプに投票したアメリカの有権者を女性差別主義者だと言っているのと同じで、あまりに失礼です。好き嫌いは別にしてなぜ「トランプさん、おめでとう」と言えないのか。こんな無礼な人間が番組のコメンテーターをつとめること自体が異常だとしか言いようがありません。
カマラ・ハリス氏の敗北の原因は、性別の問題ではありません。ハリス氏はバイデン政権の副大統領として国境を開放し、不法移民を大量にアメリカに流入させました。バイデン政権は治安を悪化させ、物価を高騰させ、庶民を貧困化させました。またウクライナ支援に前のめりになるなど数々の失策がありました。米国民の生活よりも海外に資金を流し、軍事介入をすることに熱心でした。ハリス氏は副大統領としてバイデン政権の失政を正すどころか、悪化させたのですから当選できるはずがありません。今回の大統領選があたかも二人の候補者の互角の戦いであるかのようにメディアは世論誘導しましたが、バイデン政権の下で米国民は政府に対する不満と不信を募らせていたのです。