… … …(記事全文4,033文字)◆「石破を総裁にしたい」というよりは「高市を総裁にしたくない」
9月27日、自民党の総裁選挙が行われました。一つの党の党首を選ぶ選挙とはいえ、結果として日本の総理大臣を選ぶ選挙です。NHKの中継を私もずうっと見ていました。1回目の投票では過半数を得た候補がいなかったので高市氏(181票)と石破氏(154票)が決選投票に進みました。3位は小泉氏、4位は林氏、5位は小林氏、6位は茂木氏、7位は上川氏、8位は河野氏、9位は加藤氏でした。一回目の投票で高市候補と石破候補の票差は27。これだけ差がついていれば決選投票で高市氏が勝つだろうと多くの人が思ったのではないでしょうか。私もそう思っていました。ところが驚いたことに石破候補の逆転勝利に! しかも票差は21票もありました(石破 215票、高市 194票)。これはなぜなのでしょうか。
「決選投票で石破茂に投票した国会議員」のリストを見ると「岸田派」の議員が一番、多かったことが分かります。二番目に多いのが「二階派」、三番目が「無所属」です。派閥を解消したといいながら実際には派閥でまとまって行動していたわけです。岸田前首相が「決選投票で高市VS石破になったら、石破に投票しろ」と指示を出していたことはほぼ間違いありません。取材した複数の記者が明かしています。なぜ岸田氏は石破を推したのでしょうか? 岸田氏と石破氏は特に親しいというわけではありません。岸田内閣で高市氏は閣僚に任命されましたが、石破氏は任命されていません。
岸田にとっては石破氏が総裁になった方がまだマシだという判断だったのでしょう。もし高市氏が総裁になったら自分がやって来た左派的政策、なかでもLGBT法などすぐに廃止されることが目に見えているからです。どちらの候補が自民党にとって、日本にとって望ましいか、ではなくどちらの候補が自分の首相時代の政策を覆さないか、という基準で考えたのでしょう。高市氏が選ばれれば日本初の女性総理の誕生でした。「女性活躍社会」をアピールできる、せっかくの機会を自ら潰したのが岸田という愚か者でした。最後の最後まで自分のことしか考えない人間であることを岸田は露呈しました。