… … …(記事全文3,929文字)🍀前回のメルマガで、NHKラジオの国際放送で「報道テロ」をした中国人スタッフのことを書きました。彼が業務委託契約を結んでいた会社名を「株式会社 日本国際放送」と書きましたが、正しくは「NHKグローバルメディアサービス」でした。訂正いたします。
◆米は不作ではない
7月末頃から「スーパーに米がない、大変だぁ~!」とメディアが騒ぎだしました。しかし米がなかったのは主に大型スーパーです。街の米穀店や直売店にはあるし、去年、猛暑で特に不作だったというわけでもありません。スーパーの米が品薄なのは流通の問題です。8月2日、坂本農水相が記者会見で「食用米の需給が逼迫しているということはない」と述べたにもかかわらずメディアの報道は、相変わらず「米が足りない」を強調していました。そして、その原因は猛暑だ、とかインバウンドの需要拡大によるものだ、とか推測の域を出ないものでした。新米が出る直前の今頃の時期は例年、品薄になります。あと数週間すれば地域によっては早場米が出るので、スーパーの棚にまた米が並ぶでしょう。
例年と違う現象としては「南海トラフ地震臨時情報」で大地震が来ることへの恐怖を感じた消費者が買い占めに走ったことはあったかも知れません。去年の夏の暑さも米の品質に多少は影響したのかも知れません。おそらく、たまたま品薄になる端境期にいくつかの要因が重なったのでしょう。しかし、それでは米の生産体制は盤石なのか、安心していていいのか、というとまったくそうではありません。ささいな要因で品薄になること自体、米の生産体制が弱体化していることを示しています。かつては厚みがあった米作りを支える人や組織が脆弱化しているので、ちょっとしたことで値段が乱高下したり、品薄になったりするのです。