… … …(記事全文4,005文字)◆アメリカは原爆の使用を反省していない
毎年8月6日には広島で、9日には長崎で原爆の犠牲になった方々を悼み、平和を祈念する式典が行われます。しかし今年は長崎市が式典にイスラエルを招待しませんでした。長崎市は現在、イスラエルがパレスチナ自治区を攻撃していることを理由にイスラエルを招待しないことにしました。鈴木史朗市長は今回の決定について「あくまでも政治的な理由ではなく、平穏かつ厳粛な雰囲気の下で円滑に式典を実施したいという中で、不測の事態の発生のリスクなどを総合的に勘案し、判断した」と述べました。雑誌『Smart FLASH 』によれば7月19日、日本以外のG7の主要国とEU(欧州連合)の駐日大使が連名で、長崎市長に対して「式典にイスラエルを招かないことはロシアなどとイスラエルを同列に扱うようなものだ。平和祈念式典に政府の高官が出席しない可能性もある」という、恫喝まがいの書簡を送ってきたそうです。それでもブレることのなかった市長に対してX(旧Twitter)では「#長崎市長に連帯します」などという賛同の声が上がっています。
しかし、収まらないのは欧米諸国です。長崎市の対応に対してアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、オーストラリア、カナダの6カ国の駐日大使が一斉に欠席する意向を示しました。この対応に対してXでは「まったく問題ありません。長崎市を全面的に支持します。被災地が批判される筋合いなど全くない。特にアメリカから」「むしろ欧米諸国がイスラエル擁護に回っていることの方が問題だ。特に米国の欠席は原爆投下への無反省を物語る」「長崎市が平和祈念式典に招待したのにG7各国やEU大使たちが欠席するのは長崎市の責任ではない。原爆を投下した当事国の態度が一番非礼であると思う」と欧米諸国、特にアメリカの欠席に対する批判が殺到しました。
今回のことでアメリカだけでなく第二次世界大戦時、連合国側にいた国々が原爆投下を反省していないことが分かったことは逆に良かったと思います。私たち日本人は「原爆投下は降伏しない日本を降伏させるためのやむを得ない選択だった」という嘘を、戦後ずっと刷り込まれてきました。原爆について私たちは何も教えられてきませんでした。原爆は戦争終結を早めるためではなく、戦後、アメリカがソ連に対して軍事的優位に立つために落とされたのです。戦争を終わらせるためだったら、広島と長崎に別の種類の原爆をわざわざ落とす必要はなかったでしょう。