… … …(記事全文4,135文字)◆オリンピック委員会(IOC)のダブルスタンダード
7月29日、TBS系の『news23』という番組に出演した東京大学准教授の斎藤幸平氏がキャスターの小川彩佳から「パリ五輪、見ていますか」と問われて「いや、全然見ていないですね。私は反五輪でボイコットしているんですけど」と答えたことが話題になっています。地上波テレビの番組中でなければ、この発言はさほど驚くようなものではないと思いますが、テレビ局側がこの発言を途中で遮りもせず、そのまま最後まで流したことに、ネットでは賞賛の声が上がっています。
斎藤氏は「今回、私が理由にしているのはイスラエルの問題」と述べ、「ロシアは今、戦争を理由に(オリンピックに)出ることができないわけですね。ところが国際司法裁判所のICJが、イスラエルのやっていることっていうのはジェノサイド(民族浄化)であり、占領政策自体も国際法違反だと勧告しているにも関わらず、国際社会であるとかオリンピック協会がイスラエルとしての参加は認めているというダブルスタンダードがある」と指摘しました。さらに「これでみんなで盛り上がって『平和の祭典、よかったね』という風に仮になってしまったら、もしかしたらパレスチナの人たち、ガザの人たちが忘れられてしまって、このジェノサイドを覚えている人たちがいないっていうことに私は少しでも抵抗したいなと思って、ちょっと見ないようにしているということですね」「スポーツウォッシングに私は加担したくないということです」と説明しました。
テレビ局はスポンサーの広告料によって運営されているので、番組内でこういう発言をされるのは困るでしょう。大手スポンサーの中には五輪のスポンサー企業もあるからです。しかしTBSが左派系だからなのか、あるいは生放送だったのか分かりませんが、この意見が地上波の番組で流れたことは良かったと思います。