… … …(記事全文4,294文字)◆なぜ日本だけが経済成長しないのか
内閣府は昨年12月25日、2022年の日本の1人当たり名目国内総生産(GDP)がドル換算で3万4064ドル(円ベースでは448万円)となり、OECD(経済協力開発機構)38カ国中21位だったと発表しました。これは1980年以降で最低の順位で、先進7カ国(G7)でも2008年以来の最下位でした。共同通信は「円安が大きく響き、金額は前年から約15%下落」と報じました。経済大国世界2位の地位はもう中国に奪われたとはいえ、いくら何でも日本人がOECDで21位、というのはおかしい、何かの間違いじゃないのか、とショックを受けた人は少なくないはずです。
2022年の日本国の名目GDPは4兆2,601億ドルで米国、中国に次ぐ第3位です。しかし世界全体に占める割合は4.2%で前年から0.9ポイント下落し、過去最低でした。米国は25兆4,397億ドルで世界全体の25%を占め、中国は17.7%の17兆9,632億ドルでした。では27年前、1995年の日米中のドル換算名目GDPはどうだったのでしょうか。
米国は7兆6,398億ドル、中国は7,310億ドル、日本は4兆2,375億ドルでした。1995年のそれぞれの国のGDPを100として、2022年のGDPを表すと米国は333、中国は2447、日本はなんと76です。中国経済が衰退しているというニュースが最近、よく聞かれますが、それでも27年前に比べたら中国経済は24倍に成長しています。日本と中国の開きの大きさが衝撃的です。アメリカも中国も27年間でちゃんと経済成長しているのに、なぜ日本だけが経済成長できなかったのでしょうか。