… … …(記事全文5,408文字)◆何の役にも立たない「日中友好議連」
東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出への対抗措置として中国は日本産水産物の全面禁輸に踏み切りました。岸田首相は狼狽したようですが、中国の反発は最初から分かっているはずです。8月30日、首相は二階俊博幹事長と党本部で面会し「日中関係は難しい状況だが、対話は切らしたくない。中国と話ができるのは二階先生しかいない」と訪中を要請したそうです。二階氏は4月に「日中友好議員連盟」会長に就任した、自民党きっての「親中派」というか「媚中派」です。二階氏は行く気になったようですが、どうも中国側の反応が芳しくなかったようです。同じく「日中友好議連」顧問である公明党の山口那津男代表が8月28~30日に予定していた訪中も直前で延期となりました。困った時の頼みだったはずの「日中友好議連」は、いざという時は何の役にも立たないことが分かりました。
「日中友好議連」は日中国交回復の翌年、1973年に設立されました。「日米議員連盟」「日英議員連盟」「日韓議員連盟」などと違って「友好」という言葉が入っているのはなぜでしょうか。おそらく中国側の要望だったのだろうと思います。中華人民共和国には選挙で選ばれた議員というものは存在しないので、正確には「議員連盟」ではありません。日本の国会議員と「全国人民代表大会で中国共産党(中共)によって選ばれたメンバー」との交流組織というのが実体です。