… … …(記事全文5,749文字)前回、トルコのエルドアン大統領に対する批判について書いたが、今回はもう少し広げて考えてみることにしたい。
実は、中東には何をしても欧米諸国から嫌われる国が三つある。
一つはトルコ、もう一つがイラン、そしてサウジアラビアである。
これら三か国に共通するのは、ヨーロッパ列強の植民地にならなかった点である。
トルコは、前のオスマン帝国の領土がずたずたにされて危うくアナトリア半島まで分割され植民地になるところだった。
しかし、石油が出なかったことが幸いしたことと、ムスタファ・ケマルが率いた祖国解放運動によって今のトルコとしての独立を列強に認めさせた。
それが西欧、特にヨーロッパから嫌われる原因となった。
サウジアラビアは、豊富な石油資源がある限り、欧米諸国は手出しできなかったし、敵対することもできなかった。
それが嫌われる理由である。欧米諸国は、尊大な国王や王族に頭を下げたくなかったが、石油を得るためには仕方なかった。
そして、イランは1979年のイスラム革命でアメリカ大使館が占拠されて以来、アメリカとは国交を断絶したままである。
EU諸国とは一定の外交関係を維持しているが、アメリカから圧力がかかるから、反イランで結束しなければならない。
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