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やっぱり地理が好き ~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

宮路秀作(地理講師&コラムニスト)

宮路秀作

やっぱり地理が好き #170:東京大学の入試問題から世界を見る①

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やっぱり地理が好き 

~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

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第169号(2024年8月31日発行)、今回のラインアップです。

①世界各国の地理情報

~東京大学の入試問題から世界を見る①~

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こんにちは。

地理講師&コラムニストの宮路秀作です。

日頃、周りの人たちからは「みやじまん」と呼ばれています。

今回で169回目のメルマガ配信となります。


8月となりました。

本メルマガのご購読を継続していただいたみなさま、大変感謝いたします。

ありがとうございます。


ここ最近、色々とオーバーワークになりつつあるなと思いながら、必至の思いで仕事をこなしていますが、なかなか追いつけずまた月末に一気にメルマガ配信という状況になってしまいました。大変申し訳ございません……。


また軌道に乗せていけるよう生産性を上げる何かを考えていて、9月になったら家事代行サービスなるものを利用してみたいなと思ったりしつつあります。1回2時間、月に2回くらいの利用を考えているのですが、どこかお勧めのサービスがありましたら、編集後記にありますアンケートから教えていただきたいです(切実)。


さて、まずは新刊のお知らせです。

新刊とはいっても、7月12日(金)に電子書籍版として刊行したもので、Kindle版限定です。タイトルは『なぜ日本人は戦争音痴なのか』(SYNCHRONOUS BOOKS)、日本人がなぜ戦争音痴なのかについて、戦争を地理学的視点で観ていく書籍です。


言語境界と国境が一致している日本という国で生活をしていると、やはり一つの国に言語境界が存在し、そしてそれが民族対立の元になることをあまり理解できません。だからこそ、多民族国家は社会的コストが高くなってしまうことを想像できず、目先の利益ばかりを追求する政商たち、そしてその人たちに支援されて議員活動を行っている人たちは、簡単に「労働者不足を移民で補う!」という馬鹿げたことを平気で言うわけです。


これは「多様性を認める」といった崇高なものではなく、目先の利益の追求でしかありません。多様性を認めることは重要でありますが、それは同じ民族内における価値観を尊重するということなのであって、決して多民族国家を意図的に作るということではないはずです。


という論調で書かれた本書、お値段500円とワンコインでご購入いただけます。ページ数は36ページとあっさり読めてしまいますので、これを機にぜひお求め頂けると嬉しいです♪


▼『なぜ日本人は戦争音痴なのか』(SYNCHRONOUS BOOKS)

https://www.amazon.co.jp/dp/B0D86MSY18/


さて、台風10号が日本に接近して、そのためか、郷里・鹿児島では多くの世帯で停電が発生し、また雨の影響で東海新幹線が運転を見合わせるなど、この時期はどうしても「水」に悩まされる時期でもあります。


そういえば、2018年度東京大学前期試験地理の第1問にて、「世界の熱帯低気圧の経路」についての問題が出題されました。


以前、メルマガ第153~156号にて「一橋大学の入試問題から世界を見る」というシリーズを配信したことがありました。


▼#153:一橋大学の入試問題から世界を見る①

https://foomii.com/00223/20240421233000123197

▼#154:一橋大学の入試問題から世界を見る②

https://foomii.com/00223/20240427235000123450

▼#155:一橋大学の入試問題から世界を見る③

https://foomii.com/00223/20240428220000123474

▼#156:一橋大学の入試問題から世界を見る④

https://foomii.com/00223/20240429210000123493


今回は、「東京大学の入試問題から世界を見る」と題しまして、台風を含め、世界の熱帯低気圧について解説していきます。


それでは、今週も知識をアップデートして参りましょう。

よろしくお願いします!


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①世界各国の地理情報

~東京大学の入試問題から世界を見る①~


確かに大学入試における地理を課す大学としては、日本では一橋大学が最も難易度が高いと思いますが、これは普遍性というよりは、徹底した地域性を問うているからこそといえます。


一方で東京大学はどちらかというと普遍性を問う問題が多いように思います。「解説を見れば理解できるのですが……」と、東大受験生がよく発する言葉です。入試とは、「解答を理解する能力」が問われているのではなく、「解答を作る能力」が問われていますので、解説を理解できるということは、学力は高いということです。しかしそれを基礎として解答を作る、つまり得点力があるかどうかが重要です。


東京大学の問題は一見、地域性を問うているように見えて、普遍性を問うていることが多く、そういう意味では非常に良い問題が揃っている印象があります。もちろん、一橋大学で課されるような地理の問題も、地域性が細かく問われますが、それはそれで「頭を使う」良い問題が揃っていると思います。

… … …(記事全文6,400文字)
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