… … …(記事全文3,609文字)●大食漢の父
父は、97歳という年齢のわりには大食漢である。3食どんぶり飯を食べている。まわりには、「ごはんをおかずにごはんを食べている」と冷やかされるほど、ご飯が好きだ。コメの値段が高いので少しセーブして欲しいと思っている。また、訪問看護師から厳しく食べることを禁じられている餅を一年中食べている。「喉に詰まらせたら私たちも医師もなす術はありませんから」と注意されて、「分かりました」と答えながらも食べ続けている。看護師のいないところでは「止めろと言われてもこれだけは止められない」と愛煙家と同じことを言っている。また、飴、煎餅、バナナ、その他甘い物を間食している。
●「食欲がない」便秘のせい
こんな食いしん坊の父が連休前から、食欲がないと訴え始めた。夕食を仕度してテーブルの上に並べると、「俺は今日はいらない」と食べない。「どうしたのか」と問うと「便秘気味だ」と応答する。朝食も「お粥かおじやかうどんにしてくれ」と注文を付ける。私にすれば「いつものわがままが始まった」程度のことだった。そのうちに「1日2食にする。間食も止める」と言い出した。
●かかりつけ医で浣腸
「便秘が酷いのなら医者へ行った方がいい」と促すと、「分かった」と答えるので連れて行った。父のかかりつけ医は近所のS医院といい、現在の医師の先代のころから定期的に通っている。この辺に内科医院がないことから完全に独占状態であり、毎日患者で混雑している。ネット予約があるが高齢者はそれができない。予約なしで行くと2、3時間は平気で待たされる。それから、とにかく薬を沢山処方することで有名である。父も10種類近くの薬を服用している。一体どこが悪いのか分からない。
S医院では、浣腸をしてもらった。その上で便秘の薬(酸化マグネシウム錠)を処方された。「ずいぶん楽になった。もらった薬を飲んでいれば治る」と父。そういう状態で連休を迎えた。