… … …(記事全文3,692文字)●この傷痕を見れば蓮池薫と分かる
弟が帰国する前、小泉純一郎首相(当時)とともに訪朝した外務官僚と面会した際、弟はズボンをたくし上げて両脚の傷痕を見せてこう語ったという。
「この傷痕を見れば、両親は私が蓮池薫本人に間違いないと確信するでしょう」
しかし、外務官僚はそれを写真に収めることもなく、ただ見ていただけで、帰国後も面会した人間が蓮池薫だと特定できなかった。とっくに警察には身体的特徴を提供していたにも関わらず、このやる気のなさに私たち家族は激怒した。
弟の両脚の傷痕とは交通事故によるものである。太腿から足先にかけて複雑な傷痕があり、そうは見かけない特徴的なものであったので、弟が見せた気持ちが理解できる。幼いころに負った傷痕が、北朝鮮での本人確認のための重要な証拠になるとは、悲劇でしかない。
●街の電気屋さんが交通事故 弟と同じ場所
本稿でこの話題を取り上げるきっかけとなったのは、数日前、近所の電気屋さんのご主人(社長)が、クルマを運転中、右折しようと停止していたところ、追突されその勢いで前方に押し出されたところへ、反対方向から来たトラックに衝突された。この事故で幸いにも大事には至らなかった。しかし、その事故現場が、弟が小型トラックに轢かれた場所と全く同じだったからだ。この地点は見通しが悪く事故が多発している。国道8号バイパスが開通すれば、確実に問題は解消されるはずなのだが。
●我が家は交通事故に「取り憑かれている」