Foomii(フーミー)

蓮池透の正論/曲論

蓮池透(元東京電力原子力エンジニア)

蓮池透

規制委複合災害対策の住民不安に応えず 県民投票署名15万筆超提出

●原子力規制委員会 複合災害への提案をするも

先日、原子力規制委員会は原発事故時の屋内退避の運用を見直す検討チームの会合を開き、自然災害と原発事故が重なる複合災害への提案を盛り込んだ報告書案を公表した。しかし、提案は従来の見解を踏襲するもので、具体性に乏しい内容となった。


発端は昨年の能登半島地震だ。北陸電力志賀原発の周辺で道路の寸断や家屋の倒壊が相次ぎ、一時避難先となるはずの放射線防護施設にも大きな損害が出た。こういった現実に接し、とりわけ原発周辺の住民や自治体から複合災害時にも安全な避難ができるのかという不安と疑問が沸き上がった。従来から、「避難計画はスコープ外(範疇外)」とする原子力規制委員会も重い腰を上げざるを得なかったという形である。


●原子力規制委員会 「われわれの範疇外」

しかし、というかやはりというか、見直しが開始された昨年2月、山中伸介原子力規制委員長は「避難所を作ってください、道路ができるだけ寸断しないようにしてくださいということは、われわれの範疇外。自治体でお考えになっていただければいい」と述べ、逃げの姿勢を強調した。加えて、山中委員長は、「(能登半島地震で)得られた教訓は防災全般を所管する内閣府で調査し、今後の対策に反映する」と述べ、自然災害対策がきちんと機能していることを大前提として見直し議論を進める考え方を示した。原子力規制委員会の会合には内閣府幹部や放射線の専門家、原発立地自治体も出席していたが、結局この山中委員長の方針通りに進められたという。はじめから最も重要な論点を除外していては、議論する必要などない。(もっとも、山中委員長は議論したくないのだろうが)

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