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蓮池透の正論/曲論

蓮池透(元東京電力原子力エンジニア)

蓮池透

国葬で安倍元首相の「ブルーリボン」は「ゴールデンリボン」に

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00200/2022090906000099175 //////////////////////////////////////////////////////////////// 蓮池透の正論/曲論 https://foomii.com/00200 //////////////////////////////////////////////////////////////// ●「ゴールデンリボン」とは  一般に「ゴールドリボン」とは、小児がんに対する理解や支援を呼びかけるときに使われる世界共通のシンボルマークと理解する人が多い。一方で、「ゴールデンリボン」という言葉は1960~70年代、ベトナム戦争に反対する米国のプロテストソングで用いられている。そこでの「ゴールデンリボン(Golden Ribbon)」は、米軍で功績のあった軍人に授与されるリボン/賞、すなわち「勲章」を意味している。なかでも、最高位は「名誉勲章」と称され、「義務の範囲を超えて生命を危険にさらす際立った勇気と勇敢さ」「戦闘における並外れた英雄的行為」に対して授与される。本稿では、こちらの意味を前提とした。 ●安倍元首相の「国葬」と「ブルーリボン」  国内すべての世論調査で「反対」が「賛成」を上回る安倍晋三元首相の「国葬」であるが、法的根拠がない、税金投入は許されない、それに見合う功績がないなど、反対の理由はさまざまだ。いずれも、そのとおりだと私も反対する立場である。  元来、「国葬」とは、国家が安倍元首相の「死」に特定の意味を持たせる行為、と私は考えている。その意味とは、亡くなった安倍元首相の死を悼むとともに、生前の業績に対し英雄として「顕彰」するのか、または凶弾に倒れた犠牲者として「哀悼」することで、二度と同じことを繰り返さないと誓うことなのか。岸田文雄政権の現状を見ると、前者の色合いが濃いように思える。  もし、賛否が分かれる中、「国葬」が強行された場合、安倍元首相は英雄と崇め奉られ、神格化されるのだろう。そうなると、「ブルーリボン」は「名誉勲章」の「ゴールデンリボン」と化し、永遠に安倍元首相固有のものとなってしまう。遺影の襟にブルーリボンバッジがあれば、なおさら「顕彰」の意味合いは大きくなる。そんなことがあっていいものだろうか。  また言うまでもなく、安倍元首相は、旧統一教会関連団体「世界平和連合」の組織票を差配したり、「天宙平和連合」(UPF)が主催したイベントにビデオメッセージを寄せたりするなど、同教会との癒着ぶりが明らかになっている。「国葬」を行うことで、教団にいわば「お墨付き」を与えた安倍元首相の振る舞いについて、日本政府が「容認する」との姿勢を世界中に発信する結果となる。 ●毎日新聞が掲載したトランプ元大統領副補佐官の寄稿
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