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蓮池透の正論/曲論

蓮池透(元東京電力原子力エンジニア)

蓮池透

「安倍元首相の遺志を継ぐ」 拉致問題はどうなるのか

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00200/2022080506000097768 //////////////////////////////////////////////////////////////// 蓮池透の正論/曲論 https://foomii.com/00200 //////////////////////////////////////////////////////////////// ●炙り出された旧統一教会と自民党との関係   安倍晋三元首相を銃撃し死亡させた容疑者の犯行動機は解明されていないが、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)により生活を破壊され悲惨な目に遭ったことへの怨恨である旨の供述をしているという。と同時に、旧統一教会と安倍元首相及び自民党との関係が炙り出される形となった。安倍氏をはじめ多くの自民党国会議員がこのカルト教団の「広告塔」となり、選挙における組織票、運動支援に依存していた事実には愕然とするばかりだ。  自民党はこれを問題視し、実態を解明した上で旧統一教会との関係を断ち切る自浄作用を働かせなければならない。ところが、茂木敏充幹事長は「旧統一教会と党は組織的な関係はない」とし、福田達夫総務会長は「何が問題なのかわからない」と開き直った。沈黙を守ってきた岸田文雄首相も「社会的に問題になっている団体との関係は、政治家の立場からそれぞれ丁寧に説明していくことは大事だ」とまるで他人事。自民党議員一人ひとりの問題に矮小化するばかりで自民党総裁としての発言とは言い難い。少なくとも、元首相が旧統一教会との密接な関係に端を発して亡くなったことを軽視するものに他ならない。それを一議員の問題に還元しようとするのは、「国葬」の執行と矛盾しており「死の政治利用」ではないのか。  また、NHKなどのメディアはこの問題を取り上げようとせず、揉み消そうとしているのかと疑わざるを得ない。さらに、世論調査で半数以上が反対している安倍氏の「国葬」の強行的な実施により旧統一教会の問題がうやむやにされることを懸念する。ここは、国会でこの問題の徹底的な追及・解明に期待するしかない。そうでなければ、もはや日本は民主主義国家とは言えないだろう。 ●岸信介元首相時代からの統一教会との結び付き  安倍氏の祖父である岸信介氏は、統一教会の創立者文鮮明(ムン・ソンミョン)氏と親交があり、教団の日本進出のほか、反共産主義を掲げる政治団体「国際勝共連合」の設立を冷戦下に後押ししたことで知られる。安倍氏と教団との関係は、祖父の有した関係を継承したようなものだが、最も注目されているのが、旧統一教会のダミー団体とされるUPF(天宙平和連合)主催で2021年9月12日に開催された「神統一韓国のためのTHINK TANK 2022希望前進大会」での基調講演(ビデオメッセージ)である。 「朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子(ハン・ハクチヤ)総裁をはじめ、皆様に敬意を表します」  反共産主義という点で接点を持つのは理解できるが、教団への日本の献金額がより高い理由として「韓国を植民地支配した罪深い日本」と説明されていることについては、どう考えても安倍氏の政治信条とは相容れないので解せない。以下に、元信者で金沢大学法学類教授・仲正昌樹氏の解説を記す。
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